ロンタイン国際空港ガイド:開港時期とタンソンニャットとの違い
2026年7月時点、まだ開港前。現在の航空券はすべてタンソンニャット国際空港発着です
| 状態 | まだ開港前(政府目標は2026年第4四半期) |
|---|---|
| 位置 | ホーチミン市中心部から東へ約40km、ドンナイ省ロンタイン県 |
| 第1期設計処理能力 | 年間旅客2,500万人 |
| 空港等級 | ICAO 4Fランク |
| 現在利用中の空港 | タンソンニャット国際空港(変更なし) |
| 投資規模 | 第1期 約46.6億米ドル(約109兆ドン) |
1. ロンタイン国際空港とは ひとことで
2. いま何が起きているのか 開港までのタイムライン
3. 位置とタンソンニャット国際空港との違い
4. 空港の規模とデザイン
5. 旅客・貨物処理能力は段階的に拡大
6. 建設費用と事業主体
7. どの航空会社 どの路線が移るのか
8. ホーチミン市内からのアクセス 道路編
9. 路線バスの整備計画
10. 将来の鉄道接続計画
11. タンソンニャットとロンタインを混同しないために
12. ブンタウ方面へはむしろ近くなる可能性
13. いま旅行者が準備しておきたいこと
14. よくある質問でもう一度整理する

1. ロンタイン国際空港とは ひとことで
ロンタイン国際空港(ロンタイン新空港)は、ホーチミン市の東側に建設が進む、ベトナム最大級の新しい国際空港です地図。所在地はドンナイ省ロンタイン県で、ホーチミン市中心部からは直線で約40kmの距離にあります。建設の最大の目的は、慢性的な混雑が続くタンソンニャット国際空港(既存)の負担を分散させ、ベトナム全体の航空需要を受け止める新しいハブ空港を確保することです。結論から言うと、2026年7月時点ではまだ商業運航が始まっておらず、いまベトナムを訪れる旅行者が利用する便はすべてタンソンニャット国際空港発着のままです。
ロンタイン空港は最終的に滑走路4本とICAO最高格付けの4Fランクを備え、年間旅客1億人以上を処理できる規模を目指す国家プロジェクトですが、それはあくまで2050年を見据えた最終形の話です。いま押さえておくべきなのは「まだ開いていない」「今の航空券はタンソンニャットのまま」というシンプルな2点です。ベトナム旅行全体の計画を立てている方は、この新空港の存在を頭の片隅に置きつつも、当面の旅程には影響しないと考えて差し支えありません。
2. いま何が起きているのか 開港までのタイムライン
ここからは、この記事の中でいちばん更新頻度が高くなる部分です。ロンタイン空港の「今」を、事実だけを積み上げて整理します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2025年4月 | 第1滑走路(長さ4,000m)が前倒しで完成。滑走路照明システムのテストも完了 |
| 2025年12月19日 | 「技術開通」式典を実施。ハノイ発などの試験飛行3便を受け入れ、管制塔・滑走路・エプロンなど中核施設が竣工。ただし商業運航ではなくテスト段階 |
| 2026年3月ごろ | 政府(ファム・ミン・チン首相)が第1期の商業運航開始目標を「2026年第4四半期」へ正式に調整したと表明。ターミナル仕上げ工事を9月までに終える計画に合わせた現実的な調整とされる |
| 2026年3月時点の進捗 | 中核パッケージ(ターミナル等を含む第3構成事業、ACV担当分)の出来高は約64.1兆ドン(約24億米ドル)、契約総額の約74〜75%に到達。15の主要パッケージのうち3件完了、12件が同時進行中。動員人員は約1万5,000人、重機約3,000台 |
| 2026年内(目標) | 政府目標である第4四半期中の商業運航開始を目指す。具体的な月日はまだ公表・確定されていない |
| 2027年末(目標) | 開港直後の処理能力(後述)を年間1,500万人規模まで段階的に引き上げる計画 |
この記事は、正式な商業運航が始まった段階で、料金・移動手段・実際の所要時間などを含めて全面的に更新する予定です。それまでは、上記のタイムラインを目安として捉えてください。
3. 位置とタンソンニャット国際空港との違い
ロンタイン国際空港は、ホーチミン市中心部から東へ直線で約40kmの地点、ドンナイ省ロンタイン県に位置します地図。ただし、この「約40km」という数字は直線距離ベースの一般的な引用値で、資料によっては「市中心部から約60km」という表現も見られます。実際に高速道路を使って移動する場合の走行距離は、ルートによって約50〜60km程度になると考えておくのが無難です。正確な数字を一つに断定するのは難しく、開港後の実測値を待つ必要があります。
現在ベトナム線の窓口になっているのは、市内(1区)からわずか6〜8kmという近さのタンソンニャット国際空港(既存)です。ロンタインが開港すれば、この「空港がとにかく近い」という利便性は失われる一方、国全体としてはより大きな受け皿を持つことになります。両者の違いを表にまとめます。
| 項目 | タンソンニャット国際空港(既存) | ロンタイン国際空港(新設) |
|---|---|---|
| 位置 | ホーチミン市1区から約6〜8km | ホーチミン市中心部から東へ約40km(ドンナイ省ロンタイン県) |
| 現状(2026年7月時点) | 現役で稼働中。現在の全便がここを利用 | 2025年12月に技術開通済み。商業運航は未開始(政府目標は2026年第4四半期) |
| 空港等級 | 既存の国際空港 | ICAO 4Fランク(空港格付けの最高区分) |
| 役割分担(政府ロードマップ) | 国際線を約20%維持しつつ、国内線を中心に約90%を担う想定 | 国際線の約80%、国内線の約10%を担う想定 |
| IATAコード | SGN(現行) | 未確定。SGNコードは現時点でタンソンニャットのもの |
タンソンニャット国際空港は慢性的な容量超過が指摘されてきた空港で、これがロンタイン建設の直接的な動機になっています。ただし、タンソンニャットの現行の処理能力については資料によって幅があるため、この記事では具体的な数値を断定せず、「飽和状態が続いている」という事実のみを押さえておきます。
4. 空港の規模とデザイン
ロンタイン国際空港の事業用地面積は約5,000ヘクタール(約50平方キロメートル)にのぼり、国家級のインフラプロジェクトと呼ぶにふさわしい規模です。最終形(全3期完成時)では、長さ4,000m・幅60mの滑走路を4本備える計画で、空港等級はICAO最高区分の4Fランクを取得しています。
ターミナルの建築デザインは、ベトナムを象徴する蓮の花をモチーフにした屋根が特徴で、自然換気や節水の仕組みを取り入れた設計になっています。加えて、世界最大級を目指す竹(バンブー)構造物を建設することも計画されており、ベトナムの伝統文化と生態系に配慮した素材を組み合わせた、象徴性の強いデザインといえます。第1滑走路(長さ4,000m)は2025年4月に前倒しで完成し、滑走路照明システムのテストもすでに完了しています。
5. 旅客・貨物処理能力は段階的に拡大
ロンタイン国際空港の処理能力は、開港した瞬間から最大値になるわけではなく、段階を踏んで拡大していく計画です。「設計上の最大能力」と「開港直後の実際の運用能力」を混同しないことが重要です。
| 段階 | 旅客処理能力 | 貨物処理能力 | 目標時期 |
|---|---|---|---|
| 開港直後(運用開始時) | 約260万人規模からスタートとの報道 | 非公表 | 商業運航開始時(政府目標2026年第4四半期) |
| 拡大目標 | 年間1,500万人規模まで引き上げ | 非公表 | 2027年末 |
| 第1期設計能力(フル稼働時) | 年間2,500万人 | 年間120万トン | 第1期完成時 |
| 最終形(全3期完成、JICAマスタープラン) | 年間1億人超 | 年間500万トン | 2050年目標 |
つまり、「第1期設計能力=年間2,500万人」という数字がよく引用されますが、開港した直後からいきなりこの規模で運用されるわけではありません。開港初期は約260万人規模からスタートし、2027年末までに1,500万人規模へ、その後段階的に設計上限の2,500万人へと近づけていく、というのが実際の流れです。最終形の「年間1億人超・貨物500万トン」は、あくまで2050年を目標年とするJICAマスタープランに基づく長期的な数字である点にも注意してください。
6. 建設費用と事業主体
事業主体はベトナム空港公社(ACV, Airports Corporation of Vietnam)で、主投資者かつ運営会社の立場を担っています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1期全体の所要投資額 | 約109兆ドン(約46.6億米ドル) |
| うち第3構成事業(ターミナル等、ACV直接投資分) | 約99兆ドン(約43億米ドル) |
| プロジェクト全体(全期合算)の推定総投資額 | 約337兆ドン(約128億米ドル) |
プロジェクトは3段階に分けて進める計画で、現在建設が進んでいるのはこのうちの第1期にあたります。上記の金額はベトナムドン建てと米ドル建ての概算値を併記したもので、為替レートは2026年6月時点で1米ドル≈26,300ドンを基準にしています。金額はいずれも報道時点での概算である点にもご留意ください。
7. どの航空会社 どの路線が移るのか
政府のロードマップでは、2026年以降、ロンタイン国際空港が国際線の約80%、国内線の約10%を担い、タンソンニャット国際空港が国際線の約20%、国内線の約90%を維持する、という役割分担を目標としています。2026年夏以降は、まずヨーロッパ・南北アメリカ・オセアニア方面など長距離の国際線を優先的にタンソンニャットからロンタインへ移していくことが推奨されています。
航空会社側の動きとしては、ベトナム航空(Vietnam Airlines)が国際線の約12%をロンタインへ移す案を示したと報じられています。また格安航空会社のビエトジェット(Vietjet)は、第1期の段階で最低でも国際線2路線をロンタインで運航すると表明しています。
ここで大切なのは、移行が一気に全面切り替えされるのではなく、路線ごとに順次進む点です。インフラや連絡交通の整備状況に合わせて段階的に移していく方針とされています。一部の資料(特に2025年以前のもの)では「ホーチミン発着の国際線はいずれすべてロンタインに移る」というより踏み込んだ長期予測も見られますが、2026年時点でのより新しく具体的な公式ロードマップは「第1期は国際線の約80%」という数字です。長期的な見通しと第1期の目標は分けて理解しておくとよいでしょう。
旅行者にとっての実務的な意味は一つです。いま予約している航空券は、すべてタンソンニャット国際空港(SGN)発着を前提にしたものだということです。ロンタインはまだ開港していないため、現時点でロンタイン発着の便自体が存在しません。
8. ホーチミン市内からのアクセス 道路編
ロンタイン国際空港へのアクセスは、当面のあいだ道路が事実上唯一の実用的な手段になります。整備が計画されている主要ルートは次のとおりです。
| 路線名 | 総延長 | 所要時間の目標・特徴 |
|---|---|---|
| ホーチミン〜ロンタイン〜ザウザイ高速道路 | 55km | 通常走行で45〜60分。ホーチミン〜空港間の移動需要の約80%がこのルートを利用する計画 |
| ビエンホア〜ブンタウ高速道路 | 54km以上 | ドンナイ省・ホーチミン市・旧バリアブンタウ地域を結ぶ。ロンタイン空港とのジャンクション(インターチェンジ)を整備中で、2026年5月末までの開通が目標 |
| 環状3号線(Vành đai 3) | ホーチミン都市圏を周回 | 2026年6月末までに全区間開通を目標。完成すればトゥーティエム(ホーチミン新都心)から空港まで約30〜40分に短縮される見込み。ただし現状は未開通区間が残っており、実際にはこれより時間がかかる |
| 25B/25C道路 | 環状3号線と国道51号線を接続 | ドンナイ省が整備を進めている連絡道路 |
これらすべてのインフラが完成した場合の総合目標として、ホーチミン市内〜空港間は通常走行で約1〜1.5時間とされています。ただし、これはあくまで整備完了を前提とした目標値であり、現時点では迂回や未開通区間の影響でこれより長くかかる可能性が高い点に注意してください。

9. 路線バスの整備計画
ホーチミン市の交通当局は、ロンタイン空港と市内を結ぶ新規路線として13の高品質バス路線を整備する構想を確定しています。第1段階(2026年第3四半期からの開始目標)では、既存の4路線を再編するとともに、次の急行バス2路線を新設する計画です。
| 路線 | 内容 |
|---|---|
| 急行1 | サイゴンバスターミナル〜ロンタイン空港 |
| 急行2 | タンソンニャット国際空港〜ロンタイン空港 |
| 空港内バス停 | 空港敷地内に5カ所の停留所を設置する計画(位置案は報道済み) |
タンソンニャットとロンタインを結ぶ急行バスが計画されている点は、両空港間の乗り継ぎが必要になった場合の備えとして覚えておく価値があります。ただし、これらはあくまで計画段階の情報であり、実際の運行開始時期やダイヤは今後の発表を待つ必要があります。
10. 将来の鉄道接続計画
鉄道による接続については、トゥーティエムとロンタインを結ぶ鉄道路線が計画されているほか、ホーチミンのメトロ路線を空港まで延伸する案も検討されています。ただし、これらはいずれもまだ着工前の計画段階です。確定した開通時期は現時点で存在せず、当面のあいだは道路とバスが唯一の実質的なアクセス手段になると考えておいてください。
11. タンソンニャットとロンタインを混同しないために
ロンタイン空港をめぐって旅行者が最も注意すべきなのは、タンソンニャット国際空港との混同です。2026年7月時点でロンタインはまだ商業運航前のため、いま販売されている航空券はすべてタンソンニャット国際空港(SGN)発着です。予約サイトや航空会社のeチケットに表示される空港名を、出発前に必ず確認してください。特に「ホーチミン新空港」という報道の見出しだけを見て、すでにロンタインが使えると誤解してしまうケースが今後増える可能性があります。
また、開港後しばらくは、便によってタンソンニャットとロンタインに発着が分かれる状況が生まれます。乗り継ぎで一度出国し、別会社の便に乗り換えるようなケースでは、二つの空港間の移動が必要になるリスクにも注意が必要です。前述のとおり両空港は約40km(直線)離れており、道路事情によっては1時間以上を要する可能性があります。乗り継ぎ時間に余裕を持たせるか、事前に発着空港が同一かどうかを確認しておくことを強くおすすめします。入国手続きの準備と合わせて、発着空港の確認も渡航前チェックリストに加えておくとよいでしょう。
12. ブンタウ方面へはむしろ近くなる可能性
ロンタイン県は、ホーチミン市中心部よりもむしろブンタウ(旧バリアブンタウ、現在はホーチミン市の特別区域)方面に地理的に近いという見方があります。そのため、ブンタウなど南部の海辺エリアを行き来する旅行者にとっては、新空港の開港によって移動時間が短縮される可能性がある一方、ホーチミン市中心部からはタンソンニャットより遠くなるというトレードオフが生じます。
この点は美化せずに正直に伝えておく必要があります。現在のタンソンニャット国際空港は市内(1区)からわずか6〜8kmで、グラブ(配車アプリ)利用時の料金相場もおよそ110,000〜250,000ドンとされる、際立って便利な立地です。これと比べれば、ロンタインは明らかに市内から遠い空港になります。「南部エリア全体で見れば便利になる場所もある」という話と、「ホーチミン市中心部からは遠くなる」という話は、切り分けて理解しておくのが正確です。ベトナム南部を広く周遊する予定がある方は、この地理的な位置関係を押さえておくと計画が立てやすくなります。
13. いま旅行者が準備しておきたいこと
ロンタイン空港がまだ開港していない今の時点で、旅行者が実際に準備しておくべきことはシンプルです。
まず何より大切なのは、予約済みの航空券に記載された発着空港名を必ず確認することです。前述のとおり、2026年7月現在は例外なくタンソンニャット国際空港が発着空港になっています。次に、eSIMや現地通貨の準備は、これまでどおりの手順で問題ありません。eSIMは出発前にオンラインで購入しておくと、到着後すぐにインターネットに接続できて便利です
着いた瞬間にネット接続。すぐ設定、物理SIM不要、今の番号もそのまま。
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。両替についても、空港の新旧にかかわらず必要な準備は変わりません。
空港からホーチミン市内への移動では、グラブ(配車アプリ)や公式タクシー、あるいは事前予約の送迎車を利用するのが一般的です
🚗 専用空港送迎を予約(現在はタンソンニャット基準)Klookでホーチミン空港送迎を見るTrip.comの車
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。ロンタイン空港が開港した際の具体的な料金や運行方式については、2026年7月時点でまだ公式な確定情報がありません。この記事では推測の料金を掲載することは避けており、開港後にあらためて実測情報を追記する予定です。タンソンニャットと同様に、グラブ・公式タクシー・チャーター車といった選択肢が用意されると見込まれますが、正確な料金は開港後に確認してください。
最後に、空港周辺や配車アプリの利用時には、よくある詐欺の手口にも注意してください。新しい空港が開業する際は、非公式の客引きや料金トラブルが一時的に増える傾向があるため、公式の乗り場やアプリ経由の予約を優先することをおすすめします。この記事は、ロンタイン空港の商業運航が正式に始まった段階で、料金・移動手段・実際の所要時間を含めて全面的に更新する予定です。
14. よくある質問でもう一度整理する
ここまでの内容を、よくある質問の形でもう一度整理します。細かい疑問がある方は、下記のFAQも参考にしてください。