クーラオチャム日帰り完全ガイド ホイアン発チャム島の最新ルール
珊瑚の海と漁村が半日で見られる島ですが、ツアーの案内に並ぶ項目のいくつかは今は動いていません。
| 船と所要 | クアダイの船着き場から速船で15分から20分です。 |
|---|---|
| 船券 | 当日往復が1人350,000₫(約2,100円)です。 |
| 入島料 | 1人1回70,000₫で、上の船券に含まれます。 |
| 出航の条件 | 風が風力5を超えると船は出ません。 |
| 動く季節 | 3月から9月が中心で、10月以降は便が細ります。 |
| 現金 | 島にATMはないので小額紙幣を持っていきます。 |
1. クーラオチャムはどんな島で、一日いくらかかるのか
2. クアダイの船着き場から島へ渡る
3. 風力5を超えると船は出ません
4. 入島料70,000₫と、船券に入っているもの
5. 島での一日は、こう流れます
6. シュノーケリングと、船が入れない海域
7. 島のビーチは、性格がはっきり分かれます
8. バイランの集落、ハイタン寺、200年の井戸
9. 案内に載っていて、今は動いていないもの
10. 島で食べるもの、そしてイワガニの禁漁期
11. 島に泊まると、何が変わるか
12. 脱プラの島で、旅行者の側に起きること
13. ツアーにするか、自分で船券を買うか
14. 現金、持ちもの、船酔い、そして行かないほうがいい人

1. クーラオチャムはどんな島で、一日いくらかかるのか
ホイアン(Hội An)の沖およそ15キロ、船で15分から20分。クーラオチャム(Cù Lao Chàm)の日帰りは、珊瑚の海でシュノーケリングをして、漁村を歩き、午後の便で戻る一日です。船代と昼食だけなら1人およそ520,000₫(約3,100円)、シュノーケリングと車の送迎まで足すと900,000₫(約5,400円)前後になります。ツアーは全部込みで500,000₫から700,000₫ですから、海に入るつもりならツアーのほうが安く収まります。
この記事の円換算は1,000₫を6円として計算しています。為替は動きますので、桁をつかむための目安として読んでください。
8つの島のうち、人が住むのは1つだけです
クーラオチャムは8つの島が集まった群島で、人が住んでいるのはホンラオ(Hòn Lao)島だけです。全体で15平方キロほど、住民はおよそ3,000人。2009年5月26日にユネスコの生物圏保存地域に登録され、その範囲は33,475ヘクタールあります。登録の名前にはホイアンも入っていて、旧市街と島が同じ枠の中に置かれています。ユネスコが出している数字では、陸が6,341ヘクタール、海が26,777ヘクタールです。
海から見ると、森に覆われた尾根が急に立ち上がり、岸には白い大きな岩が並びます。砂浜は湾ごとに切れていて、長い海岸線が続く島ではありません。集落は3つ、舗装された道は東側の一部にしかなく、歩ける範囲に暮らしと寺と井戸が詰まっています。ホイアンの旧市街から船着き場まで車で15分ですから、朝に出て夕方前に戻る日帰りが無理なく成り立ちます。
ベトナムには島の日帰り先がいくつもありますが、この島の性格は少し変わっています。リゾートが建ち並ぶ島ではなく、漁で暮らす人が住む島です。夜に開く商売もほとんどありません。海の透明度と、観光地化していない集落。この2つが同時に手に入るところが、この島の値打ちです。
一日にかかるお金の内訳
自分で船券を買って組む場合と、ツアーに任せる場合で、内訳はこう変わります。ツアーの代金には送迎も昼食も入島料もシュノーケリングも入っていますので、総額だけを並べると高く見えてしまいます。
| 項目 | 自分で組む場合 | ツアーの場合 |
|---|---|---|
| 往復の船券 | 350,000₫(入島料70,000₫込み) | 含まれます |
| 桟橋と環境の上乗せ | 20,000₫から30,000₫ | 含まれます |
| 宿と船着き場を結ぶ車(往復) | 200,000₫前後 | 含まれます |
| 昼食 | 150,000₫前後 | 含まれます |
| シュノーケリング | 150,000₫から250,000₫ | 含まれます |
| 合計の目安 | 870,000₫から980,000₫(約5,200円から5,900円) | 500,000₫から700,000₫(約3,000円から4,200円) |
自分で組む値打ちが出るのは、シュノーケリングを外して、集落と寺に時間を使いたい場合です。海に入るなら、装備と昼食が最初から入っているツアーのほうが計算は楽になります。
島にいる時間は、どちらを選んでも正味4時間から5時間しかありません。船を降りてから乗るまでのあいだに、海に入り、昼を食べ、集落を歩く。この3つで時間は使い切ります。どれかを深く見たいなら、どれかを削るか、泊まる日程にするかの二択になります。
行けるかどうかを決めるのは、財布ではなく風です
この島の日帰りには、ほかの行き先にはない条件がひとつあります。風が風力5を超えると、船は島へ向かうことも島を出ることも禁じられます。冬の話ではありません。2026年7月16日から17日には、真夏の観光最盛期に約300人が島に足止めされました。予定を一日も動かせない旅程では、この島は最初から外したほうが安全です。
保護の枠組みができるまで
この海を守る仕組みは、2003年10月にデンマークの支援を受けて始まった事業から育ちました。2006年3月24日に海洋保護区の管理事務所ができ、2025年2月20日には海と森を合わせた23,530ヘクタールの自然保護区に格上げされました。2026年にはダナン(Đà Nẵng)の直接の管理に移り、同じ年に生物圏保存地域のための管理事務所が別に設けられています。今は性格の違う2つの事務所が並び立つ形です。
混んでいるという評判は、今はあまり当たりません
訪れる人の数は、この20年で大きく振れました。2009年はおよそ32,000人、2012年に10万人を超え、2017年に41万人、2019年に44万人で頂点を打ちました。そこから半分に落ち、2024年はおよそ22万人。2026年の1月から5月は73,116人で、前の年の同じ時期からの伸びは1.04%です。市が2026年に見込んだ年間248,000人には、この調子だと届きません。10年前の記事が書いた「押し寄せる人波」は、今の島の姿ではありません。
もうひとつ、先に知っておくと損をしないことがあります。ツアーの案内に並んでいる目玉のいくつかは、今は動いていません。島を一周する道路のコース、写真を撮る展望地点、樹齢の高い大きな木、住民のバスケットボート、住民の釣り、ビーチの水上アクティビティ。どれも当局によって止められたままです。中身はこの記事の後半でまとめました。
この島が向く人、向かない人
- 向く人:透明な海でシュノーケリングをしたい人。観光地化していない漁村を歩きたい人。旅程に一日の余裕がある人。
- 向かない人:出国の便が同じ日か翌朝の人。10月から2月に日程が固定されている人。速船の揺れが体にこたえる人。
ホイアンを拠点にした旅の全体像はホイアンの旅行ガイドにまとめてあります。ほかの行き先と並べて比べたいときはダナン発の日帰り旅行をどうぞ。
2. クアダイの船着き場から島へ渡る
定期の旅客船が出るのは、クアダイ(Cửa Đại)の船着き場だけです。ホイアンの旧市街から約5キロ、車で15分。速船で15分から20分渡ります。当日往復の船券は大人1人350,000₫(約2,100円)で、入島料70,000₫はこの中に入っています。乗る前にパスポートか身分証を登録しますので、出航の30分前には着いておいてください。
船着き場はクアダイ船着き場 地図です。海沿いの道の突き当たりにあり、バイクを置くと1回10,000₫から20,000₫かかります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発地 | クアダイの船着き場。定期の旅客船が出るのはここだけです |
| ホイアン旧市街から | およそ5キロ、車で15分。片道100,000₫前後です |
| ダナン中心部から | およそ30キロ、40分から45分。まず陸路でクアダイまで来ます |
| 渡航時間 | 速船で15分から20分 |
| 当日往復の船券 | 大人1人350,000₫(約2,100円)。入島料70,000₫を含みます |
| 日をまたぐ往復 | 400,000₫から550,000₫(約2,400円から3,300円)。泊まる人はこちらです |
| 上乗せの料金 | 桟橋と環境の名目で20,000₫から30,000₫。売り手によって違います |
| 子ども | 1歳未満は無料、1歳から8歳は大人の半額です |
| 乗船の手続き | パスポートか身分証を船着き場で登録します |
ダナン発の直行船はありません
「ダナン発」と書かれたツアーは、ダナンの宿から陸路でクアダイまで運ぶものです。ダナンの市街から島へ直接渡る旅客船は、2026年7月の時点で走っていません。市の計画には航路を開く案があり、2026年中に動かす想定も書かれていましたが、まだ始まっていません。ダナンに泊まる人は、往復で3時間近い陸路が乗ることを見込んでおいてください。ダナンからホイアンへの移動の選択肢はダナンからホイアンへの行き方にまとめてあります。
船着き場までの足
ホイアンの旧市街からは、チャンフンダオ(Trần Hưng Đạo)通りからクアダイ通りへ入り、アウコー(Âu Cơ)通りを右に折れると突き当たりが船着き場です。車で15分、片道100,000₫前後。バイクを1日借りるなら120,000₫ほどです。ダナン中心部からは海沿いの道を南へ40分から45分。メーターのタクシーだと350,000₫から500,000₫、空港からの送迎を頼むと4人乗りで250,000₫から350,000₫、7人乗りで500,000₫から600,000₫が相場です。ダナンから朝いちばんの便に乗るなら、道の時間を1時間半みておいてください。
時刻表は公表されていますか
決まった公表時刻表はありません。出航は朝の8時台から9時台に集中し、夏の繁忙期には13時台の便も出ます。島からの折り返しは13時から14時半あたりが中心で、早朝7時の便を出す会社もあります。実際の時刻は船会社が当日の海況と乗客の集まり方で動かしますので、券を買った相手に前日と当日の朝の2回確かめるのが確実です。
船着き場に着いたら、券の窓口で名前と人数を伝え、国境警備の担当者にパスポートか身分証を見せて登録します。手続きは今も紙とペンで行われていて、乗客数と乗る船、出航時刻を1件ずつ照合します。書類が揃わない人がいると全員の出航が遅れますので、身分証は必ず現物を持っていってください。写真や複写では登録できません。
船に乗る前に確かめること
- 今日の便が出るかどうか。前日の夕方と当日の朝の2回です。
- 帰りの便の時刻。券に刷られていない会社もあります。
- 合計金額の内訳。350,000₫のほかに上乗せがあるかどうか。
- 行程に含まれる項目。止まっている項目の一覧と見比べてください。
- 乗る船の大きさ。定員12人から79人まであり、小さいほどよく跳ねます。
救命胴衣は全員分が積まれていて、出航前に着けるよう案内があります。荷物は足元か船尾にまとめて置く形で、預ける場所はありません。しぶきがかかりますので、濡らしたくないものは防水の袋に入れておいてください。
船と航路の現状
この航路で営業できる席数には上限があり、2018年の決定で42社あわせて1日4,025席と決められています。実際に動いているのは35社から40社ほど、船は70隻から97隻で、繁忙期には1日に150便ほどが行き来します。ただし2026年1月から5月の来島者は73,116人ですから、席の上限に当たって乗れないという事態は、今のところ起きていません。混雑より先に、海が止めます。
航路そのものには弱点があります。クアダイの水路は土砂がたまって浅くなっていて、事業者からは浚渫の要望が出ています。潮の高さによって出られる時刻が変わるのはこのためです。島側の桟橋も傷んでいて、250馬力を超える船は着けられません。補修と改修は2026年から2027年に向けて準備が進んでいます。島での移動の考え方はホイアンの移動手段と同じで、歩くかバイクかの二択です。
ツアーの弱点は、時間が固定されることです。シュノーケリングも昼食もビーチの滞在も、船の折り返しに合わせて刻まれます。その代わり、船券の手配、乗船前の登録、島での移動をまとめて任せられますし、装備と昼食の料金を別に計算しなくて済みます。


3. 風力5を超えると船は出ません
クーラオチャムの日帰りで、お金でも段取りでもどうにもならないのが海です。風が風力5を超えると、船は島を出ることも島へ向かうことも禁じられます。ダナンの港湾当局が出す指示で、何月であっても効きます。2026年7月16日から17日には、真夏の観光最盛期に約300人が島に足止めされました。冬だけの問題ではありません。
風力5とはどれくらいか
風力5は日本の予報でいえば風速およそ8メートルから11メートルです。陸では葉の茂った木が揺れる程度ですが、海の上では白波が広がり、全長10メートル台の速船は上下に叩かれます。禁止の対象になるのは、旅客を乗せて島を離れる船です。港湾当局は同時に、沿海を走る区分の船の運航も止めます。
止めるのは二段構えです。海上の安全を見る港湾当局が海上の航行を止め、島側の当局が旅客の輸送と観光を止めます。船着き場では国境警備の担当者が乗船を止めますので、券を持っていても乗れません。判断は前日の夕方から当日の朝にかけて出され、掲示と船着き場での案内、それに船会社からの連絡で伝わります。航路に絞った専用の海上予報はなく、広い海域向けの一般的な予報をもとに判断されています。
2026年7月に何が起きたか
2026年7月16日、南西の風が風力4から5、突風で6に達し、海上の航行が止まりました。島には約300人の旅行者が残され、その多くは外国から来た人たちでした。全員が翌17日の午後、海が落ち着いてから速船で本土へ戻っています。7月は雨も少なく、海がいちばん静かな時期です。それでも止まりました。
足止めされたときに困るのは、宿でも食事でもありません。島にはホームステイがあり、食堂も開いています。困るのは現金です。島にATMはなく、カードもほとんど使えませんので、予定外の1泊が発生すると手持ちの紙幣で払うことになります。日帰りのつもりでも、1人あたり少し多めに持っていってください。
過去に止まった日
2025年8月24日の朝、台風の接近に合わせてダナンは海上の航行を止め、島への往来が全部停止しました。観光も旅客の輸送も、島に出入りするすべての便が対象です。2024年9月18日にも、熱帯低気圧のために島へ向かう船が止まっています。どちらも予報が出てから半日ほどで決まりました。台風の名前がニュースに出た時点で、その週の予定は動くと考えておいたほうが無難です。
足止めされたときにすること
- まず船会社に連絡します。次の便の見込みは、そこがいちばん早く知っています。
- 宿を押さえます。ホームステイが1泊200,000₫から500,000₫です。
- 手持ちの現金を数えます。ATMがないので、足りない場合は使い方を先に決めます。
- 本土側の予定に連絡を入れます。翌日の予約は動かしておいたほうが確実です。
- 飛行機の便がある人は、その日のうちに航空会社へ連絡します。
2026年7月の例では、足止めは1泊で終わりました。ただしそれは夏だったからで、風の強い季節なら2日3日と延びることも考えられます。旅程を組むときは「行けないかもしれない」より「帰れないかもしれない」のほうを重く見てください。
「冬は島が閉まる」という説明は当たりません
閉鎖の命令は出ていません。住民は一年中そこで暮らしていますし、荷物を運ぶ船は海が許せば動きます。起きているのは、海が荒れた日に観光の船が出ないということです。9月から2月にかけてはその日が多く、結果として観光船はほとんど動きません。逆に、3月から9月なら大丈夫だと決めつけることもできません。7月の例が示したとおりです。
| 月 | 雨量の目安 | 海と船 |
|---|---|---|
| 1月 | 96ミリ | 北東の季節風で荒れる日が続きます |
| 2月 | 34ミリ | 落ち着いてきますが便はまだ細いです |
| 3月 | 25ミリ | 動く季節が始まります。ダイビングの店も開きます |
| 4月 | 27ミリ | 安定します |
| 5月 | 63ミリ | 安定します。26日は入島料が無料です |
| 6月 | 89ミリ | 安定します。暑さがきつくなります |
| 7月 | 90ミリ | 安定しますが、2026年7月16日から17日のような足止めもあります |
| 8月 | 118ミリ | 安定して動く最後の月です |
| 9月 | 350ミリ | 動く季節の終わりです |
| 10月 | 613ミリ | 雨のいちばん多い時期に入ります |
| 11月 | 373.6ミリ | 海が荒れます |
| 12月 | 209ミリ | 海が荒れます |
予約と払い戻し
中止になったときの扱いは、売り手によって違います。ツアーなら振り替えか返金かのどちらかで、船券だけを買っている場合は日を改めて使えることが多いのですが、決まりは会社ごとです。申し込む前に「海が荒れて中止になったらどうなりますか」と一言聞いておくだけで、当日の交渉が要らなくなります。前日までに分かった場合と、船着き場まで来てから止まった場合で扱いが変わることもあります。
日程の組み方
実務としては3つです。ひとつ、出国の便の前日にこの島を入れない。ふたつ、滞在の前半に入れて、だめだった日を後半に振り替えられるようにする。みっつ、行けなかった日にそのまま動ける代わりの行き先を用意しておく。この3つを守れば、海に止められても旅程は崩れません。中部の雨の季節そのものはダナンの雨季と台風に、月ごとの気候はダナンの天気と季節にまとめてあります。


4. 入島料70,000₫と、船券に入っているもの
入島料は1人1回70,000₫(約420円)です。2026年6月10日から今の決まりになりましたが、金額そのものは2017年から変わっていません。350,000₫の船券を買えばこの70,000₫は中に入っていますので、島で改めて払う場面はありません。ツアーの代金にも入っています。集めるのは自然保護区の管理事務所です。
買い方は2通りあります
ひとつは、クアダイの船着き場にある管理事務所の窓口で自分で買う方法。もうひとつは、船券やツアー代に含める方法です。個人で船券を買っても、ほとんどの場合は最初から入っています。券面の内訳が分かれていることもありますが、合計が350,000₫なら二重に払っていません。
これとは別に、桟橋と環境の名目で20,000₫から30,000₫の上乗せがあります。こちらは決議で定められた金額ではなく、売り手によって額も呼び方も違います。窓口で提示された合計と、券に書かれた金額が合っているかだけ確かめてください。
免除と、無料になる4日
| 区分 | 入島料70,000₫の扱い |
|---|---|
| 大人の旅行者 | 1回につき70,000₫。船券かツアー代に含まれます |
| 16歳未満と学生 | 免除です。ただし船代は別に要ります |
| 60歳以上 | 免除です |
| 障害のある人 | 証明を持っていれば免除です |
| 貧困とそれに準じる世帯 | 免除です |
| 島の住民 | 免除です |
| 年に4日 | テト(旧正月)、3月29日、5月26日、9月2日は全員が無料です |
免除に当たる人でも、船代は別の料金です。16歳未満の子どもは入島料が免除でも、速船の子ども料金は払います。1歳未満は無料、1歳から8歳は大人の半額というのが標準です。この2つを混ぜて考えると、窓口で話が合わなくなります。
無料になる4日のうち、5月26日はユネスコの登録が決まった日です。テトは旧暦の年末から正月三が日にかけての4日間で、年によって西暦の日付が動きます。ただしこの時期は北東の季節風が残っていて、海が荒れやすい時期でもあります。入島料が無料でも船が出ないという日は起こりえます。
2026年に変わったのは金額ではなく、お金の流れです
2026年の決議で動いたのは料金ではなく、集めた入島料の配分でした。管理事務所に残る割合が50%から85%に上がっています。理由は率直で、残りの半分では人件費と各所への分担金でほとんど消えてしまい、島の保全に回る分が残らなかったからです。金額を70,000₫のまま据え置いたのは、島で売れる観光の中身が傷んでいて、事業者も以前の水準に戻っていないという判断によります。
入島料の歴史をたどると、2007年は大人10,000₫、子ども5,000₫でした。2014年に見学とシュノーケリングで40,000₫、タンクを使う潜水を含めると60,000₫。2017年から一律70,000₫になり、そのまま今日に至ります。9年間の据え置きです。
集めたお金は何に使われるか
入島料を集めているのは自然保護区の管理事務所で、そのお金は珊瑚の修復、巡視、環境教育、それに国境警備や森林の部署との連携に使われます。2026年に配分が変わったのは、この保全の部分に回る金額を増やすためです。ダナンは2026年から2030年にかけて、生物圏保存地域の環境を守る計画も動かしていて、保護区の中での違反を2030年までに半分に減らすという目標を置いています。
市が2026年に見込んだ収入は年間およそ173億₫、来島者は248,000人でした。実際の1月から5月は73,116人ですから、見込みには届きそうにありません。旅行者の側から見れば、当分は値上げより先に、止まっている設備の補修が課題だということです。
紛らわしい2つの枠組み
この島には性質の違う2つの枠が重なっています。ひとつはユネスコの生物圏保存地域で、2009年5月26日に済州で開かれた会議で決まりました。33,475ヘクタール、中心地域は旧市街と群島の2か所です。もうひとつが自然保護区で、2025年2月20日に23,530ヘクタールで設けられ、2026年1月26日に改められました。海がおよそ22,000ヘクタール、島と森が1,600ヘクタール超です。名前が似ているので混ざりやすいのですが、入島料の根拠になっているのは後者の管理事務所のほうです。
ツアー代に何が含まれるか
500,000₫から700,000₫の一日ツアーには、宿からの送迎、往復の船、入島料、桟橋と環境の上乗せ、シュノーケリング、昼食、ガイドが入ります。含まれないのは、飲みもの、土産、島でバイクを借りる費用、それに個人的に頼む追加の潜水です。ダナン発の格安の商品では、送迎の距離が長くなる代わりに昼食の内容が簡素になっていることがありますので、代金だけでなく中身を見比べてください。
ベトナムの旅行費用の相場はダナン旅行の予算に、現金と両替の考え方はベトナムのお金と両替にまとめてあります。島で使う分は本土で用意しておいてください。
5. 島での一日は、こう流れます
朝に渡って午後の便で戻る、これが標準です。島にいる時間は正味4時間から5時間しかありません。その中身は、船でのシュノーケリング、ビーチでの昼食、集落歩きの3つでほぼ埋まります。出航は8時台から9時台、折り返しは13時から14時半あたりが中心ですが、公表された時刻表はありませんので、券を買った相手に必ず確かめてください。
| 時刻の目安 | 場所 | すること |
|---|---|---|
| 07:00 | ホイアン市内 | 宿を出ます。車で15分ですが朝は道が混みます |
| 07:45 | クアダイの船着き場 | 券の受け取りと乗船の登録。30分みておきます |
| 08:30 | 船の上 | 出航。波があるとよく跳ねます |
| 08:50 | 島の桟橋 | 上陸。桟橋から集落まではすぐです |
| 09:30 | シュノーケリングの停泊地 | 船で移動して1時間ほど海に入ります |
| 11:00 | 集落 | 寺と古井戸、市場を歩きます |
| 12:00 | ビーチの食堂 | 昼食。真水のシャワーがあります |
| 13:30 | ビーチ | 自由時間。ハンモックは食事をした店のものを使えます |
| 14:00 | 島の桟橋 | 島を出ます。帰りのほうが波の高いことがあります |
| 14:30 | クアダイの船着き場 | ホイアンまで車で15分です |
順番は船会社によって入れ替わります
先に集落を歩き、午後にシュノーケリングという組み方もあります。上陸してすぐ海に入る会社は、午前中のほうが水が澄んでいるという理由で動きます。どちらでも中身は変わりませんが、集合の時刻だけは船会社の都合で決まりますので、自由行動の前に必ず確かめてください。桟橋には集合の20分前に戻るくらいがちょうどいい間合いです。
個人で渡った場合、島での動きは全部自分で決められます。ただし帰りの便の時刻は船会社が握っていますので、朝のうちに何時の便に乗るかを伝えておきます。券に時刻が刷られていない会社もあり、その場合は口頭の約束が全てです。名前と時刻を控えておくと後で困りません。
船を降りてからの実務
桟橋に着いたら、まず貴重品と濡らしたくないものを分けます。シュノーケリングに向かう船へは荷物ごと乗るのが普通で、大きな荷物を預ける場所はありません。防水の袋がひとつあると、この時点で楽になります。海に入るあいだ荷物は船に置いたままになりますので、現金とパスポートは体から離さないほうが安心です。
昼食の会場はビーチの食堂です。ツアーなら席が確保されていますが、個人で行くと昼のピークに重なって待つことがあります。真水のシャワーは食堂の裏手にあり、着替えの場所は簡素です。海から上がって食べて、すぐ集合という流れになりますので、着替えは取り出しやすい場所に入れておいてください。
午後の便を逃したらどうなるか
次の便が出ればそれに乗れますが、最終の便のあとは島に泊まることになります。日をまたぐ往復の券を持っていない場合は、その場で追加の支払いが必要です。しかも支払いは現金だけです。集合の時刻を守るというのは、この島では財布の問題でもあります。
持っていくものと、船に置いていくもの
島で使うのは、現金、水、帽子、日焼け止め、着替えの5つです。それ以外は船か食堂に置いたままになります。桟橋にコインロッカーのような設備はありませんので、置き場所は自分で決めることになります。ツアーなら食堂の席が拠点になり、荷物はそこに集まります。個人なら、店を決めてから動くという順番が同じ役目を果たします。
日焼けは思ったより早く進みます。船の上は遮るものがなく、海面からの照り返しが加わります。往路の20分だけでも肩が焼けますので、乗る前に塗っておいてください。日射しの強い時期は、帽子より薄手の長袖のほうが効きます。
島の中の移動
徒歩かバイクです。バイクは1日120,000₫から150,000₫(約720円から900円)で借りられます。集落から寺までは歩ける距離ですが、坂があり、日陰は多くありません。周りの小島まで船を貸し切るなら1隻700,000₫(約4,200円、10人まで)、ツバメの巣で知られる岩の島まで往復するなら300,000₫(約1,800円)が目安です。
4時間から5時間で足りるかというと、シュノーケリングと昼食で半分以上が消えます。寺と井戸と市場をきちんと見たいなら、シュノーケリングを短くするか、泊まる日程にしてください。ホイアン側の日程の組み立てはホイアンのモデルコースが参考になります。
船着き場までの足を先に決めておきます
早朝のクアダイは、流しの車がほとんど通りません。配車アプリは使える時間帯ですが、船着き場の周りは台数が少なく、待ちが出ます。帰りも同じで、船が着いた瞬間に何十人かが同時に車を探します。アプリの使い方はベトナムの配車アプリにまとめてありますが、朝いちばんの便に乗るなら、前日に車を押さえておくほうが確実です。


6. シュノーケリングと、船が入れない海域
日帰りのシュノーケリングは、バイセップ(Bãi Xếp)の沖かホンザイ(Hòn Dài)の沖で行います。水深は2メートルから5メートル、装備はツアーの代金に含まれるのが普通です。単体で申し込むなら150,000₫から250,000₫(約900円から1,500円)を払えば、マスクとシュノーケル、ライフジャケットまで借りられます。海は区分けされていて、船が停まってよい場所は決められています。
珊瑚は減っていません。増えています
20年ほど前に約300ヘクタールだった珊瑚礁は、356.4ヘクタールまで広がりました。数えられている珊瑚はおよそ300種。バイフン(Bãi Hương)とバイバック(Bãi Bắc)の周辺では、被度が8%から40%まで戻っています。苗床は約40か所、合わせておよそ4,000平方メートルあり、これまでに復元した硬い珊瑚は累計で5,200平方メートルになります。
2026年から2030年にかけて、20億₫(約1,200万円)を使う修復の事業が動いています。苗を植えられるのは3月から7月だけで、苗床で半年ほど育ててから海底に移します。あわせてオニヒトデの駆除と海のごみの回収が毎月行われています。海の中で見られる生きものは1,309種と数えられていて、これは日帰りで浮かんでいても分かるほどの密度です。
海の区分けと、そこでできること
| 区分 | 広さ | そこで行われること |
|---|---|---|
| 厳格保護区 | 566.81ヘクタール | 調査、巡視、環境教育、生態系の監視など。観光では立ち入りません |
| 生態回復区 | 1,120.41ヘクタール | 生態系を傷めない範囲でだけ人が入れます |
| サービス・管理区 | 海10,119.08ヘクタール、陸150.65ヘクタール | 観光の潜水はここで行われます |
| 期間を区切った採取区 | 13.01ヘクタール | 4月1日から8月31日は採りません |
| 緩衝区 | 外側11,290ヘクタール、内側270.04ヘクタール | 内側に3つの集落があります |
この区分けは2026年5月28日に定められました。旅行者が覚えておくべき決まりはひとつだけです。珊瑚礁と海草の上に錨を下ろすことは、はっきり禁じられています。ツアーの船は決められた地点にしか停まれず、事業者は環境保護の約束に署名し、ガイドは生物多様性の研修を受けることになっています。停泊の場所が毎回同じなのは、船長の好みではなく決まりのためです。
誰が何を守っているか
島の周りには珊瑚を観測する定点が10か所あり、状態が継続して測られています。バイフンの集落には住民が運営する保全の区域があり、村の取り決めで独自の区分けと船の管理が行われています。漁ができるのは島の住民だけで、船は12メートル未満、サービス管理区の中では9メートル未満、漁具は網と手釣り、罠といった昔ながらのものに限られます。海で見かける漁の風景が小さいのは、そういう決まりのためです。
海に入るときの実務
- 時間帯は午前中のほうが水が澄んでいます。午後は風で波が立ちやすくなります。
- ライフジャケットは着けたままで大丈夫です。浮いた状態でも、水深2メートルから5メートルなら十分に見えます。
- 珊瑚には触れない、立たない。折れたものは戻りません。
- 日焼けは背中から来ます。ラッシュガードか薄手のシャツを着たまま入るほうが楽です。
- 酔いやすい人は、海に入る前に薬を飲んでおくと違います。停泊中の揺れは、走っているときより長く続きます。
タンクを使う潜水
ダイビングの拠点はホイアンの町にあります。シーズンは3月から。体験の潜水は80米ドルあたりから、経験者向けのファンダイブは2本で2,400,000₫(約14,400円)前後という店があり、この料金には器材、インストラクター、昼食、島で必要な各種の料金、ホイアンの宿からの送迎まで入ります。水深は18メートルあたりが標準で、経験に応じて30メートルまで下ります。ダイブコンピューターを1日30,000₫で貸す店もあります。
水の中で見えるもの
この海の見どころは、大きな魚の群れではなく珊瑚そのものです。硬い珊瑚と柔らかい珊瑚が混じり、浅いところでは陽が届いて色がよく出ます。バイバックの周辺は柔らかい珊瑚と透明度で知られていて、初めて潜る人にも向くと言われる海域です。水深が2メートルから5メートルという浅さは、シュノーケリングにとっては利点で、息を止めて潜らなくても足元に珊瑚が広がります。
透明度は日によって変わります。雨のあとは川からの濁りが入り、風が続いた翌日も砂が舞います。逆に、風のない朝は驚くほど遠くまで見えます。カメラを持っていくなら防水の袋か、それ用の機材を。船の上での持ち込みは自由ですが、落としたものは戻りません。
泳ぎが得意でなくても、ライフジャケットを着けて浮かんでいれば珊瑚は見えます。船から降りずに待つ人も毎回いますので、無理に入る必要はありません。ホイアン発のアクティビティの選択肢はホイアンの体験とアクティビティにまとめてあります。

7. 島のビーチは、性格がはっきり分かれます
日帰りで足を着けるビーチは、実質バイチョン(Bãi Chồng)とバイオン(Bãi Ông)の2か所です。どちらも食堂と真水のシャワーがあり、食事をした店のハンモックを使えます。シュノーケリングのために船が停まるバイセップと、桟橋のあるバイラン(Bãi Làng)は、泳ぐための場所ではありません。ビーチごとに何があるかを先に知っておくと、当日の動きが決まります。
| ビーチ | 日帰りで行くか | あるもの | 向いていること |
|---|---|---|---|
| バイチョン | 主力です | 食堂、真水のシャワー、ハンモック | 泳ぐならここです |
| バイオン | 主力です | 食堂、真水のシャワー、テントの貸し出し、飲みもの | 昼食と昼寝 |
| バイセップ | 船で寄ります | 設備はありません | シュノーケリング |
| バイビム(Bãi Bìm) | ほとんど行きません | 設備はありません | 静けさだけです |
| バイラン | 必ず通ります | 桟橋、市場、食堂 | 集落歩き |
| バイフン | 泊まる人向けです | 漁村と宿 | 暮らしを見ること |
バイチョンとバイオン
バイチョン 地図は日帰りの主力で、泳ぐならここになります。食堂が並び、真水のシャワーがあり、食事をした店のハンモックとハンモックチェアは無料で使えます。このビーチには別途の料金が設定されていて、ダイビングの店の代金には島の各種料金としてまとめて入っています。
バイオン 地図は昼食の場所として使われることが多い浜です。食堂のほかに真水のシャワー、テントの貸し出し、飲みものがあり、木陰が取りやすいのでのんびりするには向きます。ツアーによっては、バイチョンで泳いでバイオンで食べる、あるいはその逆という組み方をします。どちらか一方しか行かない行程もありますので、気になる場合は申し込む前に確かめてください。
上陸してからの動き方
上陸する浜は淡い砂で、左右に速船が並んで停まり、青と白の浮き桟橋が海へ伸びています。沖には小さなブイが一列に並び、そこから内側が泳いでよい範囲です。ブイの外は船の通り道になりますので、越えないでください。
食堂は浜のすぐ後ろに並びます。ツアーなら席が決まっていますが、個人で行った場合は先に店を決めて荷物を置き、それからハンモックを使うという流れになります。木陰は限られていますので、正午前後は帽子か日よけが要ります。砂の上に荷物を直接置くと熱を持ちますので、袋に入れて日陰へ寄せておいてください。
泳ぐときに気をつけること
- 船の停泊地の近くでは泳がないでください。速船が頻繁に出入りします。
- 波が立つ日は、岸から離れないほうが安全です。監視が常駐する体制ではありません。
- 白い岩の多い岸は足を切りやすいので、サンダルかマリンシューズがあると楽です。
- 着替えは持っていってください。真水のシャワーはありますが、更衣の場所は簡素です。
- 貴重品は浜に残さないこと。荷物を預ける設備はありません。
バイフンは泳ぐ場所というより、漁村を見る場所です。泳ぐことには制限があり、宿と船着き場と漁のための浜として使われています。バイビムとバイセップには設備が何もありませんので、日帰りで降りることはまずありません。
浜の混み方
繁忙期の島には1日に2,000人を超える人が渡る日もありますが、その人数が同じ浜に集まるわけではありません。日帰りの船は複数の会社が別々の浜へ振り分けますので、バイチョンとバイオンに半分ずつという形になります。2024年の平均は1日およそ600人で、平日の午前中なら砂の上に十分な間隔が空きます。混むのは正午前後の1時間、食堂の席だけです。
浜で使うお金は、昼食の150,000₫前後と飲みもの代が中心です。ハンモックとハンモックチェアは食事をした店のものを無料で使えますので、席を確保するという意味でも、先に店を決めてから泳ぐ順番が合理的です。
浜のまわりの海にも決まりがあります
バイオンとバイセップの一帯には、期間を区切って採取が許される区域が13.01ヘクタール置かれていて、4月1日から8月31日は何も採りません。泳ぐことに影響はありませんが、夏に漁の船をあまり見かけないのはこの決まりのためです。海に落ちているものを拾って持ち帰らない、というのがこの島での基本になります。
子ども連れの浜の使い方
浜そのものは穏やかで、波打ち際の傾斜も急ではありません。ただし監視の常駐する体制ではありませんので、目を離さないことが前提になります。日陰が限られていますから、テントを借りられるバイオンのほうが子ども連れには扱いやすい浜です。真水のシャワーは両方の浜にありますが、湯は出ません。着替えと乾いたタオルを1人分ずつ持っていってください。
ホイアン本土側の海水浴場はホイアンのビーチに、ダナン側はダナンのビーチにまとめてあります。島まで渡らなくても泳げる浜は本土側にいくつもありますので、海の目的が「泳ぐこと」だけなら、船に乗る必要はありません。この島の値打ちは、珊瑚と漁村のほうにあります。
8. バイランの集落、ハイタン寺、200年の井戸
島の暮らしはバイランに集まっています。桟橋を降りてすぐが集落で、市場と食堂と家並みが海沿いの遊歩道に沿って続きます。歩いて回れる範囲に、1758年に建てられたハイタン寺(Chùa Hải Tạng)と、200年ほど前のチャムの井戸があります。海だけの島との違いは、この歩ける旧集落があるかどうかです。
集落を歩く
集落は3つあり、バイラン 地図が中心です。海沿いには広いコンクリートの遊歩道が延び、丸いバスケットボートが伏せて置かれ、木の二輪の荷車が脇に止まっています。護岸は階段状になっていて、住民が腰を下ろしています。背後には森の丘が迫り、家と店が一列に並びます。歩いている人の数はいつも十数人という規模で、観光地の賑わいはありません。
市場では干しイカ、貝の土産、その日に揚がった魚が売られています。値札が出ていないものが多いので、買う前に単価を聞いてください。量り売りのものは、重さと1キロあたりの金額を先に確かめると安心です。支払いは現金だけです。
歩く順路
桟橋を降りると左右どちらにも集落が延びます。市場を先に見て、それから寺へ向かい、帰りに井戸へ寄るという順路がいちばん無理がありません。全部で1時間から1時間半。坂の途中に日陰がありませんので、暑い時期は昼前か夕方に回すと楽です。日帰りの行程だと、この一周に使える時間は1時間ほどしかありませんので、市場か寺かを先に決めておいてください。
ハイタン寺
ハイタン寺 地図は1758年、景興19年に僧のフォンハイ(Hương Hải)が建てました。島の西側の山の麓に立ち、島でただ一つの田んぼに向いています。草地の向こうに古びた門が残り、その手前に白い立像と茅葺きの小さな東屋があります。低い塀には欄干が付き、背後は濃い緑の斜面です。
参拝するときは肩と膝を隠す服装にしてください。水着の上に薄手のシャツを羽織るだけで足ります。桟橋から歩くと20分から30分、途中に坂があり、日陰は多くありません。帽子と水を持っていくと違います。堂の中で写真を撮る前に、ひと声かけるのが作法です。
シォムカムの古井戸
集落の三叉路に、チャムの時代から使われている井戸があります。造られてから200年ほど、今も真水が湧いていて、住民の生活用水として現役です。周りに柵はなく、看板も小さいので、地元の人に聞いたほうが早いことがあります。汲むための桶や道具には触らないでください。生活の道具であって、展示ではありません。
島の暮らし
住民はおよそ3,000人。集落は3つで、バイランに中心の機能が集まり、バイフンには漁の家が、バイオンにはビーチと食堂が並びます。2025年には、暮らしの水準を整えた地域として国の枠組みの中で評価を受けました。大きな買い物は本土でというのが日常で、荷物は船で運ばれてきます。
写真を撮るときは、家の中や漁の作業を正面から撮らないでください。遊歩道で洗濯や網の手入れをしている場面は、観光の演出ではなく生活そのものです。声をかけてから撮る、という一手間だけで受け取られ方が変わります。
市場での買い方
市場は朝が本番で、夜のうちに揚がったものが並びます。日帰りの船が着く時間には、住民の買い物がひととおり済んでいて、干物と土産の棚が残っているという状態です。干しイカは重さで値段が決まりますので、選んでから量ってもらいます。貝の細工は1点ずつ値段が違い、まとめて買うと下がることもあります。
値段の交渉は強く押すものではありません。単価を聞いて、いくつ買うかを伝えて、合計を確かめる。その3手で足ります。支払いは現金だけで、大きな紙幣を出すと釣り銭を探しに行かれますので、小額の紙幣を用意しておいてください。
この島が世界の登録に載っている理由
生物圏保存地域の名前にはホイアンの名も入っていて、中心地域は2か所あります。ひとつが旧市街、もうひとつがこの群島です。つまり、旧市街を歩くことと島に渡ることは、同じ登録の内側の話になります。海の生きものが1,309種、陸の生きものが1,035種。10年ごとの見直しは2021年9月に通っています。
日帰りの行程だと、この集落に使える時間は1時間ほどです。市場と遊歩道だけで終わることも珍しくありません。寺と井戸まで足を延ばしたいなら、シュノーケリングを短くするか、船会社に「集落の時間を長めに」と伝えておくかのどちらかになります。歩く距離そのものは大したことがなく、足りないのは時間のほうです。
夜になると、島は静かになります。日帰りの船が帰ったあと、灯りが残るのは食堂と宿だけです。夜に開く商売はほとんどありません。それを物足りないと思うか、それが目当てだと思うかで、泊まるかどうかの判断が変わります。ホイアン側で何ができるかはホイアンの見どころに、中部全体の組み立てはベトナム中部の旅行ガイドにまとめてあります。



9. 案内に載っていて、今は動いていないもの
クーラオチャムのツアーの案内には、現在は行われていない項目がいくつも並んでいます。島を一周する道路のコース、写真を撮る展望地点、樹齢の高い大きな木、住民のバスケットボート、住民の小舟の遊覧、住民の釣り、そしてビーチの水上アクティビティ。いずれも当局によって止められたままです。予約の前に、この一覧と行程表を見比べてください。
| 案内に載っているもの | 今の状態 | 止まっている事情 |
|---|---|---|
| 島を一周する道路のコース、展望の写真スポット、樹齢の高い大きな木 | 止まっています | 2年ほど前の嵐で落石が起きたためです。補修の指示は出ましたが、まだ行われていません |
| 住民のバスケットボート、住民の小舟での遊覧 | 止まっています | 水上のレジャーを行える区域が、まだ定められていないためです |
| 住民が案内する釣り | 止まっています | 同じ事情によります |
| ジェットスキー、パラセーリングなどビーチの水上アクティビティ | 止まっています | 区域を定める期限は2026年6月30日でしたが、まだ定められていません |
なぜこれが大事なのか
日本語でも英語でも、この島の紹介記事の多くは、島を一周して展望地点で写真を撮り、大きな木を見て、バスケットボートに乗るという流れで書かれています。その流れは今の島では成立しません。にもかかわらず、ツアーの行程表には項目が残っていることがあります。当日になって「今日はできません」と言われるより、申し込む前に一つずつ確かめたほうが早いです。
停止の背景にあるもの
止まっている項目は、原因で2つに分かれます。ひとつは道路のコースと展望地点、大きな木で、これは2年ほど前の嵐で落石が起きたことによります。補修の指示は出ましたが、実施されないまま時間が経ちました。もうひとつはバスケットボートと小舟の遊覧、釣り、水上アクティビティで、こちらは水上のレジャーを行える区域そのものが定められていないことによります。
この区域の話には前史があります。ダナンが2025年5月に定めた水上レジャーの区域は14か所で、市街の海岸線と半島の周りに置かれました。その計画が作られた時点で、この島は別の枠の中にありました。区域を追加する期限は2026年6月30日でしたが、その後も定められていません。住民が営んでいた小さな商売が止まったままなのは、この行政の隙間が埋まっていないからです。
島の桟橋の事情
島側の桟橋は傷みが進んでいて、250馬力を超える船は着けられません。改修は2026年から2027年に向けて準備が進んでいます。止まっている項目が戻るとすれば、この工事と前後する見込みです。旅行の直前に、もう一度確かめる価値のある部分だということです。
予約前の確認の仕方
- 行程表に書かれた項目を、一つずつそのまま読み上げて確かめます。
- 含まれない項目については、その時間に何をするかを聞きます。
- 当日に行程が変わった場合の扱いを、申し込む前に確かめます。
- 写真だけで判断しないこと。案内の写真は数年前のものが使われている場合があります。
では、今できることは何か
当局が現在動いていると挙げているのは、遊覧、海水浴、そして珊瑚を見るシュノーケリングと潜水です。つまり、海に入ることと、集落を歩くことは問題なくできます。この記事で書いた一日の流れ、シュノーケリング、ビーチ、集落と寺と井戸は、すべて今できることです。止まっているのは、住民が営む小さな遊びと、島の高い場所へ上がる行程です。
バスケットボートに乗ってみたい人は、島ではなくホイアンの本土側で乗れます。椰子の林の水路を丸い舟で回る体験は、島の停止とは関係なく続いていますので、そちらで代替してください。詳しくはホイアンのバスケットボートにまとめてあります。
案内の言い回しと、実際の中身
行程表の書き方には癖があります。「島内観光」と書かれていれば、それは集落と寺と井戸のことです。「絶景スポットで記念撮影」と書かれていたら、それが止まっている高台の展望地点を指している可能性があります。「ローカル体験」がバスケットボートや釣りを指している場合も同じです。あいまいな言葉が出てきたら、具体的にどこへ行って何をするのかを、地名で答えてもらってください。
もうひとつ気をつけたいのが写真です。案内に使われている画像は、数年前に撮られたものが残っていることがあります。高い場所から島を見下ろした写真や、丸い舟に人が乗っている写真が並んでいても、それが今日の行程を保証するわけではありません。判断の材料は文字のほうに置いてください。
この状態は、島の側にも効いています
入島料が2017年から70,000₫のまま据え置かれている理由のひとつが、まさにこの状態です。売れる中身が減った状態で料金だけを上げるわけにはいかない、という判断が働いています。つまり、止まっている項目は旅行者の満足度だけでなく、島の収入にも直接効いているということです。桟橋の改修と区域の告示が進めば、この一覧は短くなります。
10. 島で食べるもの、そしてイワガニの禁漁期
食堂はバイランとバイオンに集まっています。1皿50,000₫から100,000₫(約300円から600円)、12皿ほど並ぶセットの昼食で1人150,000₫(約900円)前後です。ツアーならこの昼食が代金に入っています。名物として知られるイワガニ(cua đá)は、毎年8月1日から2月28日まで禁漁期で、採ることも買うことも運ぶことも食べることも止まります。
どこで何を食べるか
島の航路沿いには26軒の食堂があります。バイランにはダントリー(Dân Trí)とチャンクエ(Trần Khuê)、バイオンにはチュオンケップ(Trường Kép)といった店があり、どこも海で揚がったものを焼くか蒸すかして出します。市場と桟橋、それにバイフンでは、生けすの海鮮を選んで買うこともできます。
| 食べるもの | 値段の目安 | 覚えておくこと |
|---|---|---|
| 一日干しのイカ(mực một nắng) | 1皿50,000₫から100,000₫ | 島の名物です。干したものは土産にもなります |
| 焼き魚、蒸し魚 | 1皿50,000₫から100,000₫ | その日に揚がったものから選びます |
| 巻き貝、ナマコ | 時価です | 注文の前に重さと1キロあたりの値段を確かめます |
| セットの昼食 | 1人150,000₫前後 | 12皿ほど並びます。ツアーなら代金に含まれます |
| イワガニ | 8月1日から2月28日は出ません | 禁漁期です |
| 天然のロブスター | 4月1日から5月30日は出ません | 禁漁期です |
島の食事の頼み方
食堂の多くは、その日に揚がったものを見せて選ばせる形です。値札が出ていないものは、注文の前に1キロあたりの値段と重さを確かめてください。焼くか、蒸すか、鍋にするかを選べます。セットの昼食は12皿ほどが一度に並び、1人150,000₫前後。ツアーの昼食はこの形です。飲みものは別料金で、ビールと水が中心になります。
昼のピークは12時前後で、日帰りの船が着いた人数がそのまま食堂に流れ込みます。個人で行くなら、11時半に席を確保するか、13時まで待つか。どちらかにすると待ち時間が減ります。
人数がまとまっているなら、1皿ずつ頼むよりセットにしたほうが安く済みます。2人なら、焼き魚を1皿、貝を1皿、野菜の炒めものと汁もの、それにご飯という組み方で400,000₫前後。4人以上ならセットの昼食を人数分頼むのが早いです。量は多めに出ますので、最初から全部頼まずに、足りなければ追加するくらいでちょうどよくなります。
イワガニの禁漁期
イワガニは島の岩場に棲む蟹で、長くこの島の名物として扱われてきました。今は年間の予定が決まっています。採ってよいのは3月1日から7月31日まで、甲羅が7センチ以上のものだけ、厳格保護区と生態回復区では通年採りません。8月1日から2月28日は、採ることも、買うことも、運ぶことも、食べることも止まります。この決まりは2026年5月28日の規則の第13条に置かれ、保護区の管理事務所が見ています。
背景には数字があります。2021年から2023年のあいだに個体数は33%減り、ホンザイの周辺では72.4%まで落ちました。2013年からは漁の組合が仕組みを作っていて、獲った蟹は翌朝に測って重さを記録し、札を付けて出します。基準に合わない蟹は森へ返します。もし8月から2月にこの蟹がメニューに載っていたら、それは決まりの外にあるものです。
天然のロブスターにも同じ考え方の期間があり、4月1日から5月30日は扱われません。島の食堂で「今は出せません」と言われたら、たいていこのどちらかです。理由を聞けば説明してくれますし、代わりに何が出せるかも教えてくれます。
食堂の開いている時間
島の食堂は、日帰りの船の時間に合わせて動きます。開くのは10時ごろ、いちばん忙しいのが12時前後、日帰りの船が出たあとは静かになります。泊まる人向けに夜も開いていますが、品数は昼より減りますので、食べたいものがあれば昼のうちに頼んでおくのが確実です。朝食は宿で出るところが多く、麺かお粥が中心になります。
飲みものは冷えたビールと水、缶の飲料が中心です。氷が入ることもありますので、気になる人は瓶か缶のまま頼んでください。水は宿や食堂で水筒に足せます。ペットボトルを何本も買うより、水筒を持っていくほうがこの島では合理的です。
土産に向くもの
持ち帰りやすいのは、一日干しのイカと貝の細工です。イカは木のすのこに広げて日に当てて作られていて、市場と桟橋の売店で買えます。真空で包んでもらえる店もありますが、匂いは残りますので、荷物の分け方を考えておいてください。生の海鮮を本土へ運ぶのは、船の時間と気温を考えると現実的ではありません。
支払いと値段の確かめ方
島では現金だけです。カードはほとんど使えませんし、ATMもありません。1人あたりの食事代は昼食150,000₫前後、飲みものを足しても200,000₫あれば足ります。ホイアンの本土側で何を食べるかはホイアンの名物料理に、ダナンの海鮮の相場と店の選び方はダナンの海鮮ガイドにまとめてあります。島の食事は素朴で、値段も本土とそれほど変わりません。

11. 島に泊まると、何が変わるか
外国人も泊まれます。旅行者向けの特別な許可は要りません。乗船の前にパスポートか身分証を登録し、宿が滞在の届け出をします。ホームステイは1泊200,000₫から500,000₫(約1,200円から3,000円)で、バイランとバイフンに集まっています。泊まるには、当日往復ではなく日をまたぐ往復の船券を買う必要があります。
日帰りとの違い
| 項目 | 日帰り | 一泊 |
|---|---|---|
| 船券 | 当日往復350,000₫ | 日をまたぐ往復400,000₫から550,000₫ |
| 島にいる時間 | 正味4時間から5時間 | 24時間以上 |
| 宿代 | かかりません | 1泊200,000₫から500,000₫ |
| 持っていく現金 | 1人500,000₫ほど | 1人1,000,000₫以上を見ておきます |
| 海が荒れたとき | その日の予定が消えるだけです | 翌日に船が出ないと帰れません |
| 見られるもの | 昼のビーチと集落 | 夕方と早朝の集落、夜の空 |
手続きは思ったより簡単です
特別な許可証は発行されませんし、必要でもありません。船着き場で国境警備の担当者にパスポートか身分証を見せて登録し、島に着いたら宿に同じものを預けます。宿はそれをもとに滞在の届け出を出します。2026年7月24日からは、外国からの客が着いたその場で電子の届け出を出す決まりになりましたので、氏名、生年月日、国籍、旅券番号、査証の有効期間、滞在の予定を聞かれます。
宿の値段の幅
ホームステイの標準は1泊200,000₫から500,000₫です。市場全体で見ると180,000₫から800,000₫まで幅があり、閑散期には下がります。名前の分かっている宿では、Hammock Homestay が340,000₫から800,000₫、Homestay Bãi Hương が249,000₫から480,000₫といった値付けです。ほかに Cham Island homestay、Island Smiles homestay、Hạnh Ly homestay、Hải Long homestay といった宿が運営されています。部屋数はどこも多くありませんので、繁忙期は先に押さえておいてください。テントを張って泊まりたい場合は、保護区の管理事務所の許可が要ります。
船券の買い方が変わります
泊まる場合は「日をまたぐ往復」の券を買います。同じ日に戻る券より高く、400,000₫から550,000₫。会社によっては泊まりの上乗せとして1人50,000₫を足す形にしているところもあります。当日往復の券で島に残ることはできませんので、最初から泊まると決めて買ってください。
泊まると見えるもの
日帰りの船が帰った午後3時以降、島は別の顔になります。遊歩道に住民が戻り、桟橋で釣りをする人が出て、食堂の前で夕食の支度が始まります。翌朝の市場には、その日に揚がったものが並びます。夜に開く商売はほとんどありませんので、静かに過ごすことになります。
泊まる人の一日
午後3時に日帰りの船が出てしまうと、島には泊まる人と住民だけが残ります。夕方は遊歩道を歩くのがいちばんです。護岸の階段に腰を下ろして、戻ってくる漁船を眺める時間があります。食堂は夜も開いていますが、品数は昼より少なくなりますので、食べたいものがあれば昼のうちに頼んでおくと確実です。灯りの少ない島ですから、夜の空はよく見えます。
朝は市場が早いです。夜のうちに揚がったものが並び、住民の買い物が済むと店じまいという流れになります。日帰りの船が着く前の集落は、遊歩道に洗濯物が並び、網の手入れが始まる時間帯です。この2つの時間帯を見られることが、泊まる人だけの取り分になります。
泊まる日程の組み方
1泊なら、初日の朝に渡って翌日の午後に戻るのが標準です。初日は海、翌日の朝に集落と寺、という配分にすると無理がありません。ただし翌日に船が出ない可能性は残りますので、その次の日にも動かせる余白を置いておいてください。飛行機の便が近い日程で泊まるのは避けたほうが賢明です。
覚えておくべき条件はふたつです。ひとつ、現金は多めに。ATMがないので、宿代も食事代も手持ちで払います。ふたつ、翌朝に船が出ない可能性を引き受けることになります。海が荒れれば帰れませんので、日程に一日の余裕がない人には向きません。
キャンプを考えている人へ
テントを張って泊まる場合は、保護区の管理事務所の許可が要ります。浜には設備がなく、水も自分で用意することになります。バイオンではテントを借りられますが、どこにでも張ってよいわけではありません。海と森の全体が保護区の中にあり、区分けごとに入れる場所が決まっているという前提を忘れないでください。手続きの中身は時期によって変わりますので、渡る前に問い合わせるのが確実です。
島の宿はオンラインで押さえにくく、部屋数も多くありません。天気で予定が崩れたときに動きにくいのも確かです。基点をホイアンの町に置いて、島は日帰りで往復するほうが、旅の全体は組みやすくなります。地区ごとの選び方はホイアンの宿エリアにまとめました。
12. 脱プラの島で、旅行者の側に起きること
クーラオチャムは2009年5月に、ベトナムで最初にレジ袋をやめた場所です。船着き場では改札でカードをかざし、乗る前に係の人から案内があり、持っているレジ袋は布や紙の袋と無料で交換してもらえます。旅行者がすることは単純で、布の袋と詰め替えできる水筒を持っていき、自分が出したごみを本土へ持ち帰るだけです。
17年かけて段階が積み重なりました
始まりは2009年5月です。当時のホイアンの責任者が主導し、600を超える世帯が加わりました。市は島の各家に樹脂の買い物かごを2つずつ配り、かごを持たずに市場へ来た人や、レジ袋を持ち込んだ人は市場に入れないという運用を敷きました。ベトナムでレジ袋を止めた最初の場所です。
- 2009年5月:レジ袋をやめました。
- 2018年5月26日:プラスチックのストローをやめました。ユネスコ登録9周年の式典の夜に始まり、島の18の事業者が署名しています。
- 2019年:使い捨てのプラスチック全般に広がりました。食器や容器、箱を含みます。
- 2026年:「ごみを本土へ持ち帰る」段階に入りました。2026年6月2日に始動し、2025年5月から12月に試した内容を、2026年から2030年に本格運用します。
今の段階の目標は、観光と漁の区域から出るごみ、傷んだ漁具、漂うプラスチックを70%から80%減らすことです。3つの集落それぞれに回収の組ができ、漁船の一隻ずつが回収の拠点になります。ペットボトルが禁じられているわけではありません。求められているのは、空になった容器を島に置いていかないことです。
この取り組みが続いている理由
始まったときの仕掛けが具体的だったことが大きいと言われます。禁止を言い渡すのではなく、買い物かごを先に配り、かごを持っていない人は市場に入れないという運用にしました。使う道具を先に配ったので、代わりが無いという言い分が立たなくなったわけです。18年目に入った今も、島の店と家庭は約束に署名を続けています。
船着き場で実際に起きること
改札でカードをかざし、乗船の前に係の人から案内があり、船内放送でも案内が流れます。持ち込まれたレジ袋は、紙や生分解する袋と無料で交換してもらえます。速船の舳先に立った係員が、乗客に袋を使わないよう声をかけることもあります。国境警備や海上の担当者が行う確認は、乗客の人数と救命胴衣についてのものです。ホイアンの中で、ごみの持ち込みをいちばん厳しく見ている場所がこのクアダイです。
旅行者が持っていくもの
用意するものは3つです。布の袋、詰め替えできる水筒、それに蓋の閉まる小さな容器。袋を持っていくのは、島でレジ袋が手に入らないからです。買ったものを裸で持ち歩くことになります。水筒は宿や食堂で水を足せます。空になった容器は、本土まで持って戻るのが今の島のやり方です。菓子の個包装や果物の皮も、出したものは自分の袋へ入れて帰ります。
本当の問題はごみの量です
島では1日に3トンから4トンのごみが出ています。埋め立ての場所は満杯で、適した処理の方法もありません。だから「持ち帰り」なのです。しかも、本土から船で運ばれてくる観光のごみが上乗せされます。取り組みの中心が「袋を減らす」から「量を減らす」に移ったのは、この事情によります。
出したごみはどこへ行くのか
島で出たごみは、まず種類ごとに分けられます。生ごみは島の中の施設で処理され、残りは埋め立ての場所へ回ります。集めるための仕組みも作られていて、集落ごとの回収の組が海と浜のごみを拾い、漁船が沖で拾ったものを持ち帰る形になっています。浜と珊瑚礁の清掃は定期的に行われ、オニヒトデの駆除も同じ枠の中で続いています。
それでも量が追いつかないので、旅行者には「持ち帰り」が求められます。空のペットボトル、菓子の袋、果物の皮。自分が持ち込んだ分を自分の袋に入れて船に乗る、それだけのことですが、1日に何百人分が積み重なると効き方が変わります。宿や食堂のごみ箱に押し込むのではなく、本土まで持って戻る。これが今の島のやり方です。
島の中では今も続いています。2025年7月の取材でも、バイフンとバイオンの住民はレジ袋を使っていませんでした。一方でホイアン全体を見ると、費用が高く、プラスチックが便利すぎて続かなかった取り組みもあります。国の決まりも動いていて、2026年1月1日からは、50センチ四方に満たない生分解しないレジ袋や、厚さ50マイクロメートルに満たないフィルムの製造と輸入ができなくなりました。
現地での振る舞い方全般はベトナムのマナーとチップに、荷造りの中身はダナン旅行の持ちものリストにまとめてあります。この島に限っては、布の袋ひとつ入れておくかどうかで、当日の身軽さがはっきり変わります。
13. ツアーにするか、自分で船券を買うか
海に入るつもりなら、ツアーのほうが安く収まります。500,000₫から700,000₫(約3,000円から4,200円)に、送迎、昼食、入島料、シュノーケリングまで入るからです。自分で組むと870,000₫から980,000₫になり、そのうえ朝の登録と帰りの便の確認を自分でやることになります。自分で組む値打ちが出るのは、海に入らず、集落と寺に時間を使いたい場合です。
ツアーの中身と弱点
標準的な一日ツアーには、宿からの送迎、往復の船、入島料、シュノーケリング、昼食、ガイドが入ります。ダナン発の格安の商品は440,000₫から560,000₫という値付けもありますが、こちらは往復で3時間近い陸路が加わります。弱点は時間が固定されることです。集落を歩く時間もビーチにいる時間も、船の折り返しに合わせて刻まれます。人数がまとまるまで出航を待つこともあります。
自分で組む場合の中身と弱点
船券はクアダイの窓口でも買えます。ただし繁忙期は朝のうちに席が埋まりますし、帰りの便を何時にするかを自分で押さえる必要があります。シュノーケリングは現地で申し込むことになり、単体だと150,000₫から250,000₫。昼食は食堂で150,000₫前後。合計するとツアーより高くなりますが、集落で好きなだけ時間を使える点は代えがたい利点です。
個人で組む場合の手順
- 前日の夕方に、船会社へ翌日の運航を確かめます。
- 朝、宿から船着き場までの車を手配します。前日に押さえておくのが確実です。
- 窓口で当日往復の券を買い、合計金額の内訳を確かめます。
- 国境警備の担当者に身分証を見せて登録します。
- 帰りの便の時刻を口頭で確かめ、集合場所を聞いておきます。
- 島に着いたら、シュノーケリングを現地で申し込むかどうかを決めます。
ツアーを選ぶときに見るところ
- 出発地。ホイアン発かダナン発かで、陸路の時間が往復3時間近く変わります。
- 行程に含まれる項目。止まっている項目の一覧と照らし合わせてください。
- 昼食の内容と場所。ビーチの食堂か集落の店かで、雰囲気が変わります。
- シュノーケリングの時間。1時間なのか30分なのかで満足度が変わります。
- 当日に中止になった場合の扱い。返金か振り替えかを先に確かめます。
いつ申し込むか
ツアーも船券も、前日に決めても間に合うことが多いのですが、7月と8月の週末だけは別です。国内からの旅行が集中する時期で、朝の便から埋まります。逆に、あまり早く押さえすぎると天気で流れたときに面倒が増えますので、2日前から前日というのが手ごろな間合いです。前日の夕方に運航の見込みを聞いて、そのまま申し込むという流れがいちばん無駄がありません。
ほかの日帰り先との比べ方
| 行き先 | 所要 | 中身 | 天候の影響 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| クーラオチャム | 一日 | 珊瑚の海と漁村 | 大きいです。風で中止になります | 海が目当ての人 |
| ミーソン | 半日 | チャムの煉瓦の遺跡 | 小さいです | 歴史が目当ての人 |
| フエ | 一日 | 王宮と皇帝の陵墓 | 小さいですが移動が長いです | 都市と歴史 |
| 五行山 | 半日 | 洞窟と石窟の仏 | 小さいです | 短時間で見たい人 |
| ソンチャー | 半日 | 展望と海沿いの道 | 霧と雨で視界が消えます | 景色とバイク |
| バーナーヒルズ | 一日 | ケーブルカーと橋 | 霧が出やすいです | 家族と写真 |
この表で見るべきは天候の列です。クーラオチャムだけが、当日の朝に「行けません」となる可能性を持っています。ほかの行き先は雨でも成立します。ですから順番は決まります。滞在の前半にこの島を置き、だめだった日を後半の予定と入れ替えられるようにしておくのが、いちばん失敗しにくい組み方です。
遺跡が目的ならミーソン聖域、ケーブルカーと展望ならバーナーヒルズに、それぞれ所要時間と料金をまとめてあります。雨の日でも動く行き先を一つ持っておけば、海に止められても予定を全部組み直さずに済みます。
人数が増えると計算が変わります
自分で組む場合の費用のうち、車の往復200,000₫前後は人数で割れます。2人なら1人100,000₫、4人なら1人50,000₫です。シュノーケリングを外す前提なら、4人で動く場合の1人あたりは600,000₫前後まで下がり、ツアーの上限とほぼ並びます。逆に1人旅だと車の分がそのまま乗りますので、ツアーとの差が開きます。人数と、海に入るかどうか。この2つで答えが決まります。
時間の使い方も変わります。ツアーは船の折り返しに合わせて全員が動きますので、集落に使える時間は1時間ほど。自分で組めば、シュノーケリングを短くして集落に2時間使うといった配分ができます。島にいる正味の時間が4時間から5時間しかない以上、どこに厚みを置くかを先に決めておくと、当日の迷いが減ります。
海が荒れた日に消えるのは、この島の予定だけです。日程を動かせない旅なら、屋根のある行き先や内陸の行き先をもう一つ用意しておくと、その日がまるまる空くことを避けられます。
14. 現金、持ちもの、船酔い、そして行かないほうがいい人
島にATMはありません。カードもほとんど使えませんので、現金を小額の紙幣で持っていきます。日帰りなら1人500,000₫(約3,000円)もあれば、昼食と飲みもの、土産に足ります。速船は15分から20分と短いのですが、波があると縦に跳ねます。酔いやすい人は、乗る30分前に薬を飲んでおいてください。
現金の内訳
昼食が150,000₫前後、飲みものが数万₫、市場で土産を買うなら100,000₫ほど。バイクを借りるなら1日120,000₫から150,000₫、船着き場にバイクを置くと10,000₫から20,000₫かかります。シュノーケリングを現地で申し込むなら150,000₫から250,000₫を足してください。両替は本土で済ませます。島には両替の窓口もありません。
紙幣は小さく崩しておくのが実務です。市場でも食堂でも、大きな紙幣を出すと釣り銭で待たされます。500,000₫札1枚より、100,000₫札5枚のほうが使い勝手が良いということです。海が荒れて足止めされたときのために、1人あたり数十万₫の余裕を見ておくと安心です。
持ちもの
| 持ちもの | 理由 |
|---|---|
| パスポートか身分証 | 乗船前の登録に要ります。忘れると乗れません |
| 現金(小額の紙幣) | ATMがなく、カードもほとんど使えません |
| 布の袋 | 島でレジ袋は手に入りません |
| 詰め替えできる水筒 | 空の容器は本土へ持ち帰ります |
| 酔い止め | 短い航路でもよく跳ねます |
| 日焼け止め、帽子、ラッシュガード | 木陰が少なく、海の上は照り返しが強いです |
| サンダルと着替え | 上陸で足元が濡れます。真水のシャワーはあります |
| 防水の袋 | 船のしぶきと、砂の上に置く荷物のためです |
| 薄手の上着 | 帰りの船は風が当たって冷えます |
| 常用の薬 | 島で買える種類は限られます |
船酔いを軽くする
速船は船体が小さく、波の山を越えるたびに前部が持ち上がって落ちます。座る場所は真ん中あたりを選んでください。前のほうは跳ね上がりが大きく、後ろは排気の匂いがこもります。進行方向を見て、遠くの陸か水平線に目を置くと楽です。乗る前に脂っこいものを詰め込まないこと、水は少しずつ飲むこと。酔い止めは乗船の30分前に飲みます。帰りの便のほうが海が立っていることが多いので、往路が平気でも油断しないでください。
停泊しているときの揺れも見落とせません。シュノーケリングの停泊地では、走っているときより長い時間、船が左右に揺れ続けます。海に入ってしまえば酔いは軽くなりますので、船に残るより入ったほうが楽な場合もあります。
電波と連絡
島の電波は集落の周りが中心で、船の上や山の陰では切れます。海が荒れて便が変わったときの連絡は、船会社から電話かメッセージで来ますので、つながる状態にしておいてください。データ通信だけでは電話を受けられない場合もありますから、メッセージでやり取りできる手段を先に伝えておくと確実です。回線の選び方はベトナムのeSIM比較にまとめてあります。
子ども連れと年配の方
速船の運賃は1歳未満が無料、1歳から8歳が大人の半額です。16歳未満は入島料が免除されます。ただし波があると船はよく跳ねますので、酔いやすい子には負担になります。60歳以上の方も入島料が免除されますが、桟橋の乗り降りは足元が濡れて滑りやすく、手すりも十分ではありません。同行の人が先に降りて手を貸すつもりでいてください。
島での安全
島に大きな医療の設備はありません。持病の薬は必ず本土から持っていってください。海に入るときはライフジャケットを着け、監視が常駐する体制ではないことを前提に動きます。日射しは強く、木陰は限られています。水分は多めに持ち、こまめに飲んでください。値札が出ていない品を買うときは、単価と重さを先に確かめる。それだけで会計での行き違いは避けられます。
当日の朝にすること
- 船会社に連絡して、今日の便が出るかを確かめます。
- 身分証と現金、布の袋、水筒を鞄に入れたか見直します。
- 日焼け止めを宿を出る前に塗っておきます。
- 出航の30分前に船着き場へ着くよう、車の時刻を逆算します。
- 帰りの便の時刻と集合場所を、乗る前にもう一度確かめます。
行かないほうがいい人
- 出国の便が同じ日、または翌朝の人。海が荒れれば帰れません。
- 旅程を一日も動かせない人。代わりの日を作れないなら、最初から外してください。
- 腰や首に不安のある人、妊娠中の人。速船の突き上げは短時間でもこたえます。
- 10月から2月に日程が固定されている人。動く便が少ない時期です。
- 海に入らず、屋根のある観光を求める人。この島の中身は海と集落です。
- 現金を持ち歩きたくない人。カードで完結する場面はありません。
行く値打ちがある人
透明な海で珊瑚を見たい人、観光地化していない漁村を歩きたい人、そして旅程に一日の余裕がある人です。この3つが揃えば、ホイアンから半日で景色が変わります。ダナンを基点にした旅の全体像はダナンの旅行ガイドにまとめてありますので、日程の中でこの島をどこに置くかを決めるときに使ってください。
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よくある質問
海が静かな日に当たれば、ホイアンから半日で景色が変わります。行くと決めたら、前日の夕方と当日の朝に船が出るかどうかだけ確かめて、日程には一日の余裕を残しておいてください。