ハザン・ループ 完全ガイド|マーピーレン峠とニョクエ川を巡るベトナム最北の絶景

ハザン・ループ 完全ガイド|マーピーレン峠とニョクエ川を巡るベトナム最北の絶景

3〜4日で走る北部の山岳ルート。走り方・季節・費用・免許の正直な話まで

2026年6月
ひと目でわかるハザン・ループ

場所ベトナム最北部ハザン(現在は行政上トゥエンクアン省)。ハザン市が起点・終点
有名な理由マーピーレン峠・ニョクエ川の峡谷・ドンヴァン高原のカルスト絶景と少数民族の文化
行き方ハノイから陸路のみ(約300km・6〜7時間の夜行バス)。空港も鉄道もなし
一番の選択(走り方)初心者・非ライダーはイージーライダー(同乗)が安全で人気。自走は経験者のみ
ハイライトマーピーレン峠、ニョクエ川ボート、ドンヴァン旧市街、日曜市
ベストシーズン9〜10月の黄金の稲穂と晴天。11月のソバの花も人気
日数最低3日、できれば4日。5日でゆとり
マーピーレン峠の崖沿いの道と、はるか下を流れるエメラルド色のニョクエ川
ハザン・ループの代名詞、マーピーレン峠。崖の下にニョクエ川がエメラルド色に光ります。

1. ハザン・ループとは?まず結論から

ハザン・ループは、ベトナム最北部の山々を一周する約350kmの周回ルートで、マーピーレン峠やニョクエ川の峡谷、ドンヴァン高原のカルスト絶景を巡る、ベトナムで指折りの旅です。ハザン市を起点に、クアンバ・イェンミン・ドンヴァン・メオヴァックと回って戻ってくる道のりで、最低3日、できれば4日かけて走ります。

道そのものが主役です。崖沿いの峠、深い渓谷、段々畑の谷、そして17もの少数民族が暮らす村々。観光地化されすぎていない素朴さと、ハッとするスケールの景色が同居していて、「ベトナムでいちばん良かった」と挙げる旅行者がとても多い場所です。

正直にお伝えすると、ここは万人向けではありません。ラグジュアリーな快適さを求める方、時間が極端に少ない方、そしてバイク未経験なのに自分で運転すると決めている方は考え直したほうがいいでしょう。逆に、多少の不便を冒険として楽しめる方には、これ以上ない行き先です。非ライダーでも後述のイージーライダー(同乗)でしっかり満喫できます。北部全体の動き方はベトナム北部の周り方も参考にしてください。

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2. ハザンはどこ?どんな土地?

ハザンはベトナムの最北端、中国国境に接する山岳地帯です。ループの大半はドンヴァン・カルスト高原ジオパーク(2010年指定、ベトナム初のユネスコ世界ジオパーク)の中を走ります。面積は約2,356平方km、その約8割が石灰岩のカルスト地形で、ギザギザの峰、切り立った渓谷、棚田の谷が延々と続きます。

ひとつだけ行政上の豆知識を。2025年7月1日の省再編で、かつてのハザン省は拡大したトゥエンクアン省に統合されました。ただし旅の目的地としても、ループの呼び名としても、標識や検索でも今なお「ハザン」で通っています。本記事でもハザンと呼びますので、混乱しないでくださいね。

大切な前提がもうひとつ。ハザンには空港も鉄道もありません。たどり着く手段はハノイからの陸路だけ(約300km、バスで6〜7時間)。そこからループを走り出します。トゥエンクアン〜ハザンの高速道路は建設中ですが、2026年半ばの時点でまだ開通していないので、所要時間が短くなったという話を真に受けないようにしましょう。

3. いちばん大事な決断 ── どう走るか

ハザン・ループで最初に決めるべきは、ルートでも日数でもなく「どう走るか」です。選択肢は大きく3つあります。

走り方向いている人ポイント
イージーライダー(同乗)初心者・非ライダー・運転に自信がない人経験豊富な地元ドライバーの後ろに乗るだけ。免許不要・景色に集中できる・危険な道はプロにお任せ。最も安全で人気
自分で運転(自走)山道に慣れた経験者自由度は高いが事故リスクと法律・保険の問題(後述)を自分で背負う
車・ジープ(運転手付き)家族連れ・悪天候・バイクが苦手な人快適で安全。ただし峠の風を肌で感じる感動はやや薄れる

結論から言えば、バイクに自信がない方はイージーライダー一択です。後部座席に乗るだけなので免許は要らず、ガードレールのない崖道や砂利道はすべて地元のプロが捌いてくれます。景色をゆっくり味わえるのも大きな利点です。自走が向くのは、急勾配の山道を走り慣れた経験者だけだと考えてください。

もうひとつの分かれ道が、団体コンボイか少人数かです。大型のパーティー系ホステルは20〜40台のバイクで隊列を組み、毎晩トウモロコシ酒(コーンワイン)とカラオケで盛り上がるスタイル。一方、小規模オペレーターは8〜10人ほどに絞った落ち着いた走りです。仲間とワイワイしたいか、静かに景色と向き合いたいか。にぎやかさと人混み、どちらも一長一短なので、自分の旅のテンポで選びましょう。

灰色の石灰岩カルストの山々を縫って延びる「幸福の道」
カルストの峰々を縫う「幸福の道」。バイクで走り抜ける醍醐味はここにあります。

4. 免許・法律・保険 ── 日本人が必ず知るべき正直な話

ここはやわらげずにお伝えします。ベトナムでバイクを合法的に運転するには、母国の二輪免許と、1968年ウィーン条約方式の国際運転免許証(IDP)の両方が必要です。どちらか一方だけでは足りません。

⚠️ 日本人にとって最重要の落とし穴です。日本で発行される国際運転免許証は1949年ジュネーブ条約方式のため、ベトナムでは認められません。つまり日本の免許では、実質的に無免許運転になってしまいます。米国・カナダ・豪州・ニュージーランドのIDPも同じく1949年方式で無効です(英国の1968年方式は有効)。

これがなぜ深刻かというと、理由は2つあります。ひとつは取り締まり。ループ上では警察の検問が頻繁にあり(おおよそ50kmごと)、止められる可能性はかなり高いです。2025年の取り締まり強化で罰金は約10倍に跳ね上がり、無免許の罰金は今や2,000,000〜8,000,000 VND(約12,000〜48,000円)、加えてバイクを没収される場合もあります。

もうひとつが保険です。有効な免許と1968年方式IDPなしでバイク事故を起こすと、海外旅行保険の補償は無効になります。これは標準的な免責事項で、崖道で大ケガをしても1円も下りないということ。初心者がイージーライダーを選ぶ最大の理由がこれです。同乗者なら免許も保険の問題も心配いりません。

なお50cc以下のバイクは免許不要なので、これを抜け道として貸す店もあります。ただし急勾配にはパワー不足で、おすすめはしません。バイク事故もカバーする柔軟な保険(SafetyWingなどがループ旅行者に人気)もありますが、二輪の補償が本当に効くかは契約前に保険会社へ直接確認してください。

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5. バイク・燃料・荷物 ── 自走派の実務

自分で運転すると決めた経験者向けに、現地の実務をまとめます。

項目目安(2026年)
セミオートマ(1日)約1,100〜1,200円(180,000〜200,000 VND)
マニュアル125〜150cc(1日)約1,400〜3,900円(230,000〜650,000 VND)
オートマ スクーター(1日)約1,500円(250,000 VND) ※非推奨
デポジット約550〜2,700円(90,000〜450,000 VND)
燃料(全行程)約1,500〜2,100円(250,000〜350,000 VND)

オートマのスクーターは避けてください。長い下り坂でブレーキが効きにくくなるためで、マニュアルかセミオートマが安心です。ヘルメット・基本工具・荷物固定用のゴムバンドは料金に含まれるのが一般的です。

燃料は1リットルあたり約130円(21,000 VND)。主要な町にはペトロリメックスのスタンドがありますが、辺ぴな村ではペットボトルで売る路上給油しかありません。ハザン市やドンヴァンなど町にいるうちに必ず満タンにしておきましょう。

💡 大きな荷物はホステルやオペレーターがバンで次の宿へ運んでくれます。ハザン市での荷物預かりは無料のところが多いので、ループ中は身軽に走れます。
トゥサン渓谷の狭い谷間を流れるエメラルド色のニョクエ川と小さなボート
トゥサン渓谷を行くボート。両岸の絶壁が800mも切り立つベトナム随一の峡谷です。

6. ルート徹底ガイド ── 見どころを順番に

ここが本記事の心臓部です。ハザン市を出発し、時計回りに進む順で見どころを紹介します。地図ピンも添えたので、場所のイメージをつかんでください。

1. クアンバ天空の門・双子山

高原を一望する最初の大展望台、標高約1,500m。眼下に左右対称のふたつの円錐形の丘「妖精の双子山」が並びます。展望台は入場無料。ループの始まりにふさわしい、最初の「おお」が出るポイントです。地図 地図

2. イェンミン

松林に囲まれた高原の町。1日目の宿泊地としてよく使われます。

3. スンラーの谷とパオの家

美しいモン族の谷。古い民家は2006年の映画「パオの物語」の舞台になりました。入場約60円(10,000 VND)。素朴な石垣と土壁の家並みが印象的です。地図

4. モン族王の宮殿(ヴオン家邸宅)

20世紀初頭、この地のモン族を治めたヴオン家の邸宅。64の部屋を持ち、中国の影響を受けた建築が見どころです。入場約120円(20,000 VND)。地図

5. ドンヴァン旧市街

築100年の家々が陰陽瓦の屋根を連ねる一角。古い街並みの雰囲気の中でコーヒーを飲んだり、日曜市をのぞいたり。2日目の拠点に最適です。地図

6. ルンクー国旗塔

ベトナムの象徴的な最北端を示す塔。839段の階段がありますが、電動カートで大半をショートカットできます。入場約150〜240円(25,000〜40,000 VND)+カート約90円(15,000 VND)。地図

7. マーピーレン峠 ── 最大のハイライト

ドンヴァンとメオヴァックを結ぶ「幸福の道」(国道4C)上の、約20kmにわたる崖沿いの峠。頂は標高約1,500m、谷底の川まで約800mも切り立ちます。ベトナム四大峠のひとつで、展望台と崖に張り出したマーピーレン・スカイウォークが名物。ここを目当てに来る人も多い、まさにループの主役です。地図

8. ニョクエ川とトゥサン渓谷

マーピーレン峠の足元を流れるエメラルドグリーンの川。ベトナムで最も深い峡谷を貫きます。見どころは渓谷を進むボートで、乗合は1人約600〜780円(100,000〜130,000 VND)、貸切3,000〜4,200円(500,000〜700,000 VND)、カヤックは約300円(50,000 VND)から。峠から船着き場までは急な下り坂なので、バイク・ジープ・バイクタクシー(セオム)で下りて少し歩きます。船着き場か宿・ツアーで予約できます。地図

9. メオヴァック

ループのいちばん奥にある国境の町。大きな日曜市が立ち、近隣の村から人々が集まります。地図

寄り道の選択肢

  • ルンクイ洞窟(クアンバ):見学路の整った鍾乳洞。入場約180〜300円(30,000〜50,000 VND)。
  • ズーザー村と滝(イェンミン):川遊び・水浴びができる癒やしの村。無料。
  • タムマー坂:つづら折りのヘアピンが続く撮影スポット。

7. ベストシーズン ── 月別の見どころ

ハザンは季節ごとに表情がまるで違います。何を見たいかで時期を選びましょう。

時期見どころ注意点
5〜6月水を張った「鏡」の棚田・暖かい日中は暑い日も
7〜8月青々と茂る稲雨季。豪雨・土砂崩れ・峠の霧に注意
9〜10月黄金の稲穂+涼しく澄んだ空。一番人気(特に10月)混み合うので宿は早めに
10月末〜11月(見頃は11月初旬)ソバの花(タムザックマッ)がピンク〜紫に高原を染める。ドンヴァンでソバ花祭り祭りの日程は年により変動、要確認
12〜2月静かで幻想的・人が少ない寒く霧深い(日中15℃前後・夜10℃未満、高峠は霜やまれに雪)。朝霧は9〜10時頃まで
1〜3月(春)谷に梅・桃の花、穏やかで乾いた路面

総合的に最も評価が高いのは9〜10月。黄金色の棚田と抜けるような青空がそろい、走りやすさも文句なしです。花を狙うなら11月初旬のソバ畑か、春の梅・桃。逆に雨季の7〜8月は緑が美しい反面、峠の安全面では最も気をつかう時期です。

展望台から見たクアンバの双子山と棚田が広がる緑の谷
クアンバの双子山。高原への入り口で、最初に息をのむ絶景ポイントです。

8. 少数民族の文化と市場

ハザンの魅力は景色だけではありません。住民の約88%が少数民族で、約17の民族が暮らしています。最も多いのがモン族(約34%)で、ターイ族・ザオ族・ヌン族、そしてドンヴァンやメオヴァックにはロロ族のような小さな民族も。村ごとに衣装も家のつくりも違い、それを感じ取れるのが旅の醍醐味です。

文化に触れる最大のチャンスが市場です。ドンヴァン市場とメオヴァック市場はどちらも日曜の朝に立ち、買い物だけでなく社交の場にもなっています。色とりどりの民族衣装の人々が山から下りてくる光景は、ループで一番カラフルな瞬間。旅程が日曜にかかるよう組めるとラッキーです。

もうひとつ忘れがたいのがカウヴァイの恋人市場(メオヴァック)。年に一度、旧暦3月27日(おおよそ4月末〜5月初め)に開かれ、かつての恋人どうしが嫉妬なく再会するという独特の風習です。日程は年により変わるので、訪れたい方は事前に確認を。

泊まるならホームステイがおすすめ。家族と囲む素朴な夕食、トウモロコシ酒(現地で「ハッピーウォーター」とも)を酌み交わす時間が思い出になります。今はお湯やWi-Fiが使える宿も増えました。

💡 訪問者としての心づかいを。人を撮るときはひと声かけ、服装は控えめに、買い物は少数民族の作り手から直接、そして翌日に運転するならトウモロコシ酒はほどほどに。お互い気持ちよく過ごせます。なお、子どもにお菓子やお金を直接渡すのは控えてください。よかれと思っての行動でも物乞いを助長し、子どもを学校から遠ざけてしまいます。力になりたいなら大人から品物を買うほうがいいです。マナーはベトナムの旅マナーも参考に。

9. ループのグルメ

標高1,000mを超える高原ならではの食も楽しみのひとつ。市場やホームステイで出会える郷土料理を表にまとめました。

料理どんな味・由来
タンコー(Thắng cố)モン族の鍋料理。馬肉と内臓を山の香辛料で煮込む高原食の「魂」(今は水牛・牛も)。市場でトウモロコシ酒とともに
タンデン(Thắng dền)もち米団子をショウガのシロップで。緑豆や落花生入り。ドンヴァンやイェンミンの夜食
メンメン(Mèn mén)挽いたトウモロコシを蒸した「コーンご飯」。モン族の主食
チャオアウタウ(Cháo ấu tẩu)トリカブトの塊茎を使ったお粥。生は有毒だが何時間も煮て安全に。ほのかに苦く、寒い季節の名物
スモーク水牛(Thịt trâu gác bếp)かまどの上で燻製にした水牛肉。噛みごたえと燻香、ジャーキー風
五色おこわ(Xôi ngũ sắc)森の葉で染めた五色のもち米。祭りの食
ソバ菓子(Bánh tam giác mạch)挽いたソバを蒸して焼いた菓子。やわらかく香ばしい。花の季節に登場
トウモロコシ酒(Rượu ngô)高原の地酒。市場や儀式に欠かせない。度数は強め

とくにタンコーは見た目に驚くかもしれませんが、高原文化を語るうえで外せない一皿。市場の活気の中で地元の人にならって味わうのが、いちばんの楽しみ方です。

伝統衣装をまとったモン族の女性と、色鮮やかな山岳地帯の市場
色鮮やかな民族衣装の女性たち。日曜の市場はループ一番の文化体験です。

10. ハノイからハザンへの行き方

繰り返しになりますが、ハザンへは陸路のみ。ハノイから約300km、6〜7時間です。鉄道も空港もありません。

手段料金の目安特徴
スリーパーバス(寝台)約1,500〜2,400円(250,000〜400,000 VND)定番。横になって移動できる
リムジン・VIPバン約2,100〜3,000円(350,000〜500,000 VND)座席ゆったり。キャビン寝台は約2,800円(470,000 VND)

夜行バスはハノイを21〜23時ごろ出発し、ハザンに早朝4〜5時ごろ到着します。日中便もあります。ピックアップはハノイ旧市街・ミーディン・ノイバイ空港など。到着はバス会社のオフィスで、そこからホステルの送迎が拾ってくれることが多いです。

多くの人は夜行で上り、ループを走り、また夜行で戻るパターン。ハノイは前後どちらかで1日とる価値があるので、ハノイの楽しみ方もあわせてどうぞ。

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11. 費用・ツアー・そして「許可証」

予算の全体像をつかんでおきましょう。ツアーか独立かで考え方が変わります。

タイプ料金の目安含まれるもの
ガイド付きイージーライダー 3日2泊約23,000〜27,000円(3,800,000〜4,500,000 VND)同乗席またはバイク+ドライバー、燃料、ホームステイ、ほぼ全食、装備、ハノイ往復夜行バス、荷物預かり、許可証
ガイド付き 4日約38,000〜57,000円($250〜379)上記をゆったり版で
自走グループ 3日2泊約20,000円(3,400,000 VND)バイク+宿+一部食事など
完全独立1日あたり約7,000〜11,000円($45〜70)ホームステイ約600〜2,000円(100,000〜330,000 VND)/泊、食事約210〜600円(35,000〜100,000 VND)

そして見落としがちなのが許可証です。2025〜2026年現在、外国人は大きな見どころが集まる北部4地区(クアンバ・イェンミン・ドンヴァン・メオヴァック)に入るための国境・ジオパーク通行許可証が必要です。料金は約1,500円(250,000 VND)。ツアーには含まれますが、個人で取る場合はハザン市の入国管理事務所でパスポートを提示すれば15分ほどで発行されます。2026年は取り締まりが厳しくなったという声もあるので(公式通知はなし)、現地で最新の状況を確認してください。

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秋のハザンの高原に咲くピンクのソバの花畑
晩秋に高原を染めるソバの花(タムザックマッ)。11月ごろが見ごろです。

12. モデル行程 ── 3日・4日の回り方

日数が決まらない方のために、定番の組み方を示します。費用や宿の動きはベトナムのお金事情もあわせて。

3日2泊(最低限おさえる王道)

  • 1日目:ハザン → クアンバ → イェンミン → ドンヴァン(天空の門、双子山、パオの家、王の宮殿)
  • 2日目:ドンヴァン → ルンクー → マーピーレン峠 → ニョクエ川ボート → メオヴァック
  • 3日目:メオヴァック → マウズエ/ズーザー → ハザンへ戻り、夜行バスでハノイへ

4日3泊(いちばんのおすすめ)

上記をあわてず回り、ズーザー村と滝、そして村や市場での時間を足したコース。経験者の多くが「4日にすればよかった」と口をそろえます。1日の走行時間が5〜7時間と意外に体力を使うので、余白があるほど旅が豊かになります。

⚠️ 最もよくある後悔は「日数が足りなかった」です。2日ではルンクー、ニョクエ川ボート、ズーザーを取りこぼします。迷ったら1日足してください。

13. 安全と実用のヒント

美しい道ですが、危険なのも事実です。急で狭い崖沿いの峠、ガードレールのない区間、砂利や落石、放牧の家畜、トラック、そして辺ぴな土地では医療も限られます。死亡事故は人数の割にまれですが、ほぼすべてがスピードの出しすぎ・飲酒・経験不足によるもの。初心者は自走せず、イージーライダーかガイド付きグループにしてください。

持ち物のコツも押さえましょう。

  • 服装:重ね着できる上着(夏でも朝や峠は冷えます)、長ズボン、つま先の閉じた丈夫な靴、一年中使える雨具、日焼け止め。
  • 現金:出発前にハザン市で引き出しておくこと。ループ上のATMは不安定で外国カードを弾くものもあり、村は現金のみです。両替・引き出しはベトナムのお金事情を参考に。
  • 通信:高い峠では電波が途切れがち。山岳エリアはViettelの電波が最も強いので、到着前にeSIMを用意しておくと安心です。設定はベトナムのeSIMを。
  • 移動:ループ上にGrabなどの配車はありません。自走・チャーター車・バイクタクシー(セオム)のみです。配車の使い方はベトナムでのGrabを。
💡 衛生面では、屋台や市場の食事は火が通った温かいものを選び、生水は避けて。村のトイレは簡素なことが多いので、ティッシュと携帯消毒液があると重宝します。詳しくはベトナムの注意点も。

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カルストの山を背に、ループを走るバイクとイージーライダーのペア
地元ドライバーの後ろに乗るイージーライダー。免許不要で景色に集中できます。

14. 正直な総評 ── 行く価値はある?

結論として、ハザン・ループはベトナムでするべきことの最上位に挙げられる旅です。ダイナミックな景色と少数民族の文化、この両方を一度に味わえる場所はそうそうありません。冒険心のある旅行者にはもちろん、非ライダーでもイージーライダーの席さえあれば十分に堪能できます。

一方で、向かない人もはっきりしています。ラグジュアリーな快適さが最優先の方、日程が極端に短い方、そしてバイク未経験なのに自走にこだわる方は、考え直したほうがいいでしょう。前述のとおり日本の免許では合法的に運転できないので、なおさらイージーライダーが現実的です。

そして繰り返しになりますが、最大の後悔は「日数が足りなかった」こと。体力は使いますが、その分だけ記憶に残ります。北部のほかの絶景、たとえばサパの棚田ハロン湾ニンビンと組み合わせれば、ベトナム北部を丸ごと味わう忘れがたい旅になります。全体の計画はベトナム旅行のまとめベトナムのベストシーズン、入国準備はベトナムのビザもどうぞ。

よくある質問

Q. ハザン・ループは何日必要ですか?
最低3日、理想は4日です。3日2泊でマーピーレン峠やニョクエ川ボートなど主要ポイントは押さえられますが、走行は1日5〜7時間と体力を使います。ズーザーや市場までゆっくり楽しむなら4日がおすすめです。
Q. バイク免許がなくても回れますか?
はい、回れます。イージーライダー(地元ドライバーの後部座席に同乗)なら免許は不要で、危険な道もプロが運転します。初心者や非ライダーに最も安全で人気の方法です。車やジープのチャーターという選択肢もあります。
Q. 日本の国際運転免許証でベトナムを運転できますか?
できません。日本のIDPは1949年ジュネーブ条約方式で、ベトナムが認める1968年ウィーン条約方式ではないためです。実質的に無免許運転となり、罰金や事故時の保険無効のリスクがあります。運転するならイージーライダーが現実的です。
Q. ハザンへはどうやって行きますか?
ハノイから陸路のみです。空港も鉄道もありません。約300kmを夜行のスリーパーバスやリムジンバンで6〜7時間。夜21〜23時発、早朝4〜5時着が一般的で、多くの人が夜行で往復します。
Q. ベストシーズンはいつですか?
総合的には9〜10月(特に10月)です。黄金の稲穂と澄んだ空がそろい、走りやすさも抜群。花を狙うなら11月初旬のソバ畑、または春の梅・桃。7〜8月は緑が美しい反面、雨季で峠の安全に注意が必要です。
Q. ハザン・ループの費用はどのくらいですか?
ガイド付きイージーライダー3日2泊で約23,000〜27,000円(3,800,000〜4,500,000 VND)が目安です。多くは燃料・宿・食事・ハノイ往復バス・許可証込み。完全独立なら1日約7,000〜11,000円で抑えられます。
Q. 外国人に必要な許可証はありますか?
はい。北部4地区(クアンバ・イェンミン・ドンヴァン・メオヴァック)に入るには国境・ジオパーク通行許可証が必要です。料金は約1,500円(250,000 VND)。ツアーには含まれ、個人ならハザン市の入国管理事務所で15分ほどで取れます。
Q. 初心者でも自分で運転して大丈夫ですか?
おすすめしません。崖沿いの急な峠、ガードレールのない区間、砂利や落石などリスクが高く、事故の多くは経験不足が原因です。初心者はイージーライダーかガイド付きグループを選んでください。
Q. ニョクエ川のボートは予約が必要ですか?
事前予約は必須ではありませんが、宿やツアー経由で頼むとスムーズです。乗合ボートは1人約600〜780円(100,000〜130,000 VND)。峠から船着き場までは急な下りなので、バイクやバイクタクシーで下りて少し歩きます。
Q. ハザンの市場はいつ開きますか?
ドンヴァン市場とメオヴァック市場はどちらも日曜の朝に立ちます。少数民族の人々が集まる活気ある社交の場で、ループで一番カラフルな文化体験です。旅程が日曜にかかるよう組めると見ごたえがあります。
Q. 一人旅でも楽しめますか?
はい。グループツアーやホステルのコンボイに参加すれば、一人でも自然と仲間ができます。落ち着いて回りたい人は8〜10人ほどの小規模オペレーター、にぎやかに楽しみたい人はパーティー系の大型コンボイと、雰囲気で選べます。
Q. 海外旅行保険はバイク事故をカバーしますか?
有効な母国の免許と1968年方式IDPがなければ、バイク事故は補償対象外になるのが標準です。日本のIDPは無効なため、自走中の事故は保険が下りない恐れがあります。同乗者(イージーライダー)ならこの問題は生じません。
Q. ハザンの通信環境はどうですか?
高い峠では電波が途切れがちです。山岳エリアはViettelの電波が最も強いので、到着前にeSIMを用意しておくと安心です。村は圏外のこともあるため、オフライン地図を入れておくと役立ちます。
Q. ハザン・ループはどんな人に向いていますか?
冒険心があり、多少の不便を楽しめる旅行者に最適です。非ライダーでもイージーライダーで十分楽しめます。逆に、快適さ最優先の方、日程が極端に短い方、バイク未経験で自走にこだわる方は考え直したほうがよいでしょう。

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