ハザン・ループ 完全ガイド|マーピーレン峠とニョクエ川を巡るベトナム最北の絶景
3〜4日で走る北部の山岳ルート。走り方・季節・費用・免許の正直な話まで
| 場所 | ベトナム最北部ハザン(現在は行政上トゥエンクアン省)。ハザン市が起点・終点 |
|---|---|
| 有名な理由 | マーピーレン峠・ニョクエ川の峡谷・ドンヴァン高原のカルスト絶景と少数民族の文化 |
| 行き方 | ハノイから陸路のみ(約300km・6〜7時間の夜行バス)。空港も鉄道もなし |
| 一番の選択(走り方) | 初心者・非ライダーはイージーライダー(同乗)が安全で人気。自走は経験者のみ |
| ハイライト | マーピーレン峠、ニョクエ川ボート、ドンヴァン旧市街、日曜市 |
| ベストシーズン | 9〜10月の黄金の稲穂と晴天。11月のソバの花も人気 |
| 日数 | 最低3日、できれば4日。5日でゆとり |
1. ハザン・ループとは?まず結論から
2. ハザンはどこ?どんな土地?
3. いちばん大事な決断 ── どう走るか
4. 免許・法律・保険 ── 日本人が必ず知るべき正直な話
5. バイク・燃料・荷物 ── 自走派の実務
6. ルート徹底ガイド ── 見どころを順番に
7. ベストシーズン ── 月別の見どころ
8. 少数民族の文化と市場
9. ループのグルメ
10. ハノイからハザンへの行き方
11. 費用・ツアー・そして「許可証」
12. モデル行程 ── 3日・4日の回り方
13. 安全と実用のヒント
14. 正直な総評 ── 行く価値はある?

1. ハザン・ループとは?まず結論から
ハザン・ループは、ベトナム最北部の山々を一周する約350kmの周回ルートで、マーピーレン峠やニョクエ川の峡谷、ドンヴァン高原のカルスト絶景を巡る、ベトナムで指折りの旅です。ハザン市を起点に、クアンバ・イェンミン・ドンヴァン・メオヴァックと回って戻ってくる道のりで、最低3日、できれば4日かけて走ります。
道そのものが主役です。崖沿いの峠、深い渓谷、段々畑の谷、そして17もの少数民族が暮らす村々。観光地化されすぎていない素朴さと、ハッとするスケールの景色が同居していて、「ベトナムでいちばん良かった」と挙げる旅行者がとても多い場所です。
正直にお伝えすると、ここは万人向けではありません。ラグジュアリーな快適さを求める方、時間が極端に少ない方、そしてバイク未経験なのに自分で運転すると決めている方は考え直したほうがいいでしょう。逆に、多少の不便を冒険として楽しめる方には、これ以上ない行き先です。非ライダーでも後述のイージーライダー(同乗)でしっかり満喫できます。北部全体の動き方はベトナム北部の周り方も参考にしてください。
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2. ハザンはどこ?どんな土地?
ハザンはベトナムの最北端、中国国境に接する山岳地帯です。ループの大半はドンヴァン・カルスト高原ジオパーク(2010年指定、ベトナム初のユネスコ世界ジオパーク)の中を走ります。面積は約2,356平方km、その約8割が石灰岩のカルスト地形で、ギザギザの峰、切り立った渓谷、棚田の谷が延々と続きます。
ひとつだけ行政上の豆知識を。2025年7月1日の省再編で、かつてのハザン省は拡大したトゥエンクアン省に統合されました。ただし旅の目的地としても、ループの呼び名としても、標識や検索でも今なお「ハザン」で通っています。本記事でもハザンと呼びますので、混乱しないでくださいね。
大切な前提がもうひとつ。ハザンには空港も鉄道もありません。たどり着く手段はハノイからの陸路だけ(約300km、バスで6〜7時間)。そこからループを走り出します。トゥエンクアン〜ハザンの高速道路は建設中ですが、2026年半ばの時点でまだ開通していないので、所要時間が短くなったという話を真に受けないようにしましょう。
3. いちばん大事な決断 ── どう走るか
ハザン・ループで最初に決めるべきは、ルートでも日数でもなく「どう走るか」です。選択肢は大きく3つあります。
| 走り方 | 向いている人 | ポイント |
|---|---|---|
| イージーライダー(同乗) | 初心者・非ライダー・運転に自信がない人 | 経験豊富な地元ドライバーの後ろに乗るだけ。免許不要・景色に集中できる・危険な道はプロにお任せ。最も安全で人気 |
| 自分で運転(自走) | 山道に慣れた経験者 | 自由度は高いが事故リスクと法律・保険の問題(後述)を自分で背負う |
| 車・ジープ(運転手付き) | 家族連れ・悪天候・バイクが苦手な人 | 快適で安全。ただし峠の風を肌で感じる感動はやや薄れる |
結論から言えば、バイクに自信がない方はイージーライダー一択です。後部座席に乗るだけなので免許は要らず、ガードレールのない崖道や砂利道はすべて地元のプロが捌いてくれます。景色をゆっくり味わえるのも大きな利点です。自走が向くのは、急勾配の山道を走り慣れた経験者だけだと考えてください。
もうひとつの分かれ道が、団体コンボイか少人数かです。大型のパーティー系ホステルは20〜40台のバイクで隊列を組み、毎晩トウモロコシ酒(コーンワイン)とカラオケで盛り上がるスタイル。一方、小規模オペレーターは8〜10人ほどに絞った落ち着いた走りです。仲間とワイワイしたいか、静かに景色と向き合いたいか。にぎやかさと人混み、どちらも一長一短なので、自分の旅のテンポで選びましょう。

4. 免許・法律・保険 ── 日本人が必ず知るべき正直な話
ここはやわらげずにお伝えします。ベトナムでバイクを合法的に運転するには、母国の二輪免許と、1968年ウィーン条約方式の国際運転免許証(IDP)の両方が必要です。どちらか一方だけでは足りません。
これがなぜ深刻かというと、理由は2つあります。ひとつは取り締まり。ループ上では警察の検問が頻繁にあり(おおよそ50kmごと)、止められる可能性はかなり高いです。2025年の取り締まり強化で罰金は約10倍に跳ね上がり、無免許の罰金は今や2,000,000〜8,000,000 VND(約12,000〜48,000円)、加えてバイクを没収される場合もあります。
もうひとつが保険です。有効な免許と1968年方式IDPなしでバイク事故を起こすと、海外旅行保険の補償は無効になります。これは標準的な免責事項で、崖道で大ケガをしても1円も下りないということ。初心者がイージーライダーを選ぶ最大の理由がこれです。同乗者なら免許も保険の問題も心配いりません。
なお50cc以下のバイクは免許不要なので、これを抜け道として貸す店もあります。ただし急勾配にはパワー不足で、おすすめはしません。バイク事故もカバーする柔軟な保険(SafetyWingなどがループ旅行者に人気)もありますが、二輪の補償が本当に効くかは契約前に保険会社へ直接確認してください。
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5. バイク・燃料・荷物 ── 自走派の実務
自分で運転すると決めた経験者向けに、現地の実務をまとめます。
| 項目 | 目安(2026年) |
|---|---|
| セミオートマ(1日) | 約1,100〜1,200円(180,000〜200,000 VND) |
| マニュアル125〜150cc(1日) | 約1,400〜3,900円(230,000〜650,000 VND) |
| オートマ スクーター(1日) | 約1,500円(250,000 VND) ※非推奨 |
| デポジット | 約550〜2,700円(90,000〜450,000 VND) |
| 燃料(全行程) | 約1,500〜2,100円(250,000〜350,000 VND) |
オートマのスクーターは避けてください。長い下り坂でブレーキが効きにくくなるためで、マニュアルかセミオートマが安心です。ヘルメット・基本工具・荷物固定用のゴムバンドは料金に含まれるのが一般的です。
燃料は1リットルあたり約130円(21,000 VND)。主要な町にはペトロリメックスのスタンドがありますが、辺ぴな村ではペットボトルで売る路上給油しかありません。ハザン市やドンヴァンなど町にいるうちに必ず満タンにしておきましょう。

6. ルート徹底ガイド ── 見どころを順番に
ここが本記事の心臓部です。ハザン市を出発し、時計回りに進む順で見どころを紹介します。地図ピンも添えたので、場所のイメージをつかんでください。
1. クアンバ天空の門・双子山
高原を一望する最初の大展望台、標高約1,500m。眼下に左右対称のふたつの円錐形の丘「妖精の双子山」が並びます。展望台は入場無料。ループの始まりにふさわしい、最初の「おお」が出るポイントです。地図 地図
2. イェンミン
松林に囲まれた高原の町。1日目の宿泊地としてよく使われます。
3. スンラーの谷とパオの家
美しいモン族の谷。古い民家は2006年の映画「パオの物語」の舞台になりました。入場約60円(10,000 VND)。素朴な石垣と土壁の家並みが印象的です。地図
4. モン族王の宮殿(ヴオン家邸宅)
20世紀初頭、この地のモン族を治めたヴオン家の邸宅。64の部屋を持ち、中国の影響を受けた建築が見どころです。入場約120円(20,000 VND)。地図
5. ドンヴァン旧市街
築100年の家々が陰陽瓦の屋根を連ねる一角。古い街並みの雰囲気の中でコーヒーを飲んだり、日曜市をのぞいたり。2日目の拠点に最適です。地図
6. ルンクー国旗塔
ベトナムの象徴的な最北端を示す塔。839段の階段がありますが、電動カートで大半をショートカットできます。入場約150〜240円(25,000〜40,000 VND)+カート約90円(15,000 VND)。地図
7. マーピーレン峠 ── 最大のハイライト
ドンヴァンとメオヴァックを結ぶ「幸福の道」(国道4C)上の、約20kmにわたる崖沿いの峠。頂は標高約1,500m、谷底の川まで約800mも切り立ちます。ベトナム四大峠のひとつで、展望台と崖に張り出したマーピーレン・スカイウォークが名物。ここを目当てに来る人も多い、まさにループの主役です。地図
8. ニョクエ川とトゥサン渓谷
マーピーレン峠の足元を流れるエメラルドグリーンの川。ベトナムで最も深い峡谷を貫きます。見どころは渓谷を進むボートで、乗合は1人約600〜780円(100,000〜130,000 VND)、貸切3,000〜4,200円(500,000〜700,000 VND)、カヤックは約300円(50,000 VND)から。峠から船着き場までは急な下り坂なので、バイク・ジープ・バイクタクシー(セオム)で下りて少し歩きます。船着き場か宿・ツアーで予約できます。地図
9. メオヴァック
ループのいちばん奥にある国境の町。大きな日曜市が立ち、近隣の村から人々が集まります。地図
寄り道の選択肢
- ルンクイ洞窟(クアンバ):見学路の整った鍾乳洞。入場約180〜300円(30,000〜50,000 VND)。
- ズーザー村と滝(イェンミン):川遊び・水浴びができる癒やしの村。無料。
- タムマー坂:つづら折りのヘアピンが続く撮影スポット。
7. ベストシーズン ── 月別の見どころ
ハザンは季節ごとに表情がまるで違います。何を見たいかで時期を選びましょう。
| 時期 | 見どころ | 注意点 |
|---|---|---|
| 5〜6月 | 水を張った「鏡」の棚田・暖かい | 日中は暑い日も |
| 7〜8月 | 青々と茂る稲 | 雨季。豪雨・土砂崩れ・峠の霧に注意 |
| 9〜10月 | 黄金の稲穂+涼しく澄んだ空。一番人気(特に10月) | 混み合うので宿は早めに |
| 10月末〜11月(見頃は11月初旬) | ソバの花(タムザックマッ)がピンク〜紫に高原を染める。ドンヴァンでソバ花祭り | 祭りの日程は年により変動、要確認 |
| 12〜2月 | 静かで幻想的・人が少ない | 寒く霧深い(日中15℃前後・夜10℃未満、高峠は霜やまれに雪)。朝霧は9〜10時頃まで |
| 1〜3月(春) | 谷に梅・桃の花、穏やかで乾いた路面 | ー |
総合的に最も評価が高いのは9〜10月。黄金色の棚田と抜けるような青空がそろい、走りやすさも文句なしです。花を狙うなら11月初旬のソバ畑か、春の梅・桃。逆に雨季の7〜8月は緑が美しい反面、峠の安全面では最も気をつかう時期です。

8. 少数民族の文化と市場
ハザンの魅力は景色だけではありません。住民の約88%が少数民族で、約17の民族が暮らしています。最も多いのがモン族(約34%)で、ターイ族・ザオ族・ヌン族、そしてドンヴァンやメオヴァックにはロロ族のような小さな民族も。村ごとに衣装も家のつくりも違い、それを感じ取れるのが旅の醍醐味です。
文化に触れる最大のチャンスが市場です。ドンヴァン市場とメオヴァック市場はどちらも日曜の朝に立ち、買い物だけでなく社交の場にもなっています。色とりどりの民族衣装の人々が山から下りてくる光景は、ループで一番カラフルな瞬間。旅程が日曜にかかるよう組めるとラッキーです。
もうひとつ忘れがたいのがカウヴァイの恋人市場(メオヴァック)。年に一度、旧暦3月27日(おおよそ4月末〜5月初め)に開かれ、かつての恋人どうしが嫉妬なく再会するという独特の風習です。日程は年により変わるので、訪れたい方は事前に確認を。
泊まるならホームステイがおすすめ。家族と囲む素朴な夕食、トウモロコシ酒(現地で「ハッピーウォーター」とも)を酌み交わす時間が思い出になります。今はお湯やWi-Fiが使える宿も増えました。
9. ループのグルメ
標高1,000mを超える高原ならではの食も楽しみのひとつ。市場やホームステイで出会える郷土料理を表にまとめました。
| 料理 | どんな味・由来 |
|---|---|
| タンコー(Thắng cố) | モン族の鍋料理。馬肉と内臓を山の香辛料で煮込む高原食の「魂」(今は水牛・牛も)。市場でトウモロコシ酒とともに |
| タンデン(Thắng dền) | もち米団子をショウガのシロップで。緑豆や落花生入り。ドンヴァンやイェンミンの夜食 |
| メンメン(Mèn mén) | 挽いたトウモロコシを蒸した「コーンご飯」。モン族の主食 |
| チャオアウタウ(Cháo ấu tẩu) | トリカブトの塊茎を使ったお粥。生は有毒だが何時間も煮て安全に。ほのかに苦く、寒い季節の名物 |
| スモーク水牛(Thịt trâu gác bếp) | かまどの上で燻製にした水牛肉。噛みごたえと燻香、ジャーキー風 |
| 五色おこわ(Xôi ngũ sắc) | 森の葉で染めた五色のもち米。祭りの食 |
| ソバ菓子(Bánh tam giác mạch) | 挽いたソバを蒸して焼いた菓子。やわらかく香ばしい。花の季節に登場 |
| トウモロコシ酒(Rượu ngô) | 高原の地酒。市場や儀式に欠かせない。度数は強め |
とくにタンコーは見た目に驚くかもしれませんが、高原文化を語るうえで外せない一皿。市場の活気の中で地元の人にならって味わうのが、いちばんの楽しみ方です。

10. ハノイからハザンへの行き方
繰り返しになりますが、ハザンへは陸路のみ。ハノイから約300km、6〜7時間です。鉄道も空港もありません。
| 手段 | 料金の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| スリーパーバス(寝台) | 約1,500〜2,400円(250,000〜400,000 VND) | 定番。横になって移動できる |
| リムジン・VIPバン | 約2,100〜3,000円(350,000〜500,000 VND) | 座席ゆったり。キャビン寝台は約2,800円(470,000 VND) |
夜行バスはハノイを21〜23時ごろ出発し、ハザンに早朝4〜5時ごろ到着します。日中便もあります。ピックアップはハノイ旧市街・ミーディン・ノイバイ空港など。到着はバス会社のオフィスで、そこからホステルの送迎が拾ってくれることが多いです。
多くの人は夜行で上り、ループを走り、また夜行で戻るパターン。ハノイは前後どちらかで1日とる価値があるので、ハノイの楽しみ方もあわせてどうぞ。
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11. 費用・ツアー・そして「許可証」
予算の全体像をつかんでおきましょう。ツアーか独立かで考え方が変わります。
| タイプ | 料金の目安 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| ガイド付きイージーライダー 3日2泊 | 約23,000〜27,000円(3,800,000〜4,500,000 VND) | 同乗席またはバイク+ドライバー、燃料、ホームステイ、ほぼ全食、装備、ハノイ往復夜行バス、荷物預かり、許可証 |
| ガイド付き 4日 | 約38,000〜57,000円($250〜379) | 上記をゆったり版で |
| 自走グループ 3日2泊 | 約20,000円(3,400,000 VND) | バイク+宿+一部食事など |
| 完全独立 | 1日あたり約7,000〜11,000円($45〜70) | ホームステイ約600〜2,000円(100,000〜330,000 VND)/泊、食事約210〜600円(35,000〜100,000 VND) |
そして見落としがちなのが許可証です。2025〜2026年現在、外国人は大きな見どころが集まる北部4地区(クアンバ・イェンミン・ドンヴァン・メオヴァック)に入るための国境・ジオパーク通行許可証が必要です。料金は約1,500円(250,000 VND)。ツアーには含まれますが、個人で取る場合はハザン市の入国管理事務所でパスポートを提示すれば15分ほどで発行されます。2026年は取り締まりが厳しくなったという声もあるので(公式通知はなし)、現地で最新の状況を確認してください。
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12. モデル行程 ── 3日・4日の回り方
日数が決まらない方のために、定番の組み方を示します。費用や宿の動きはベトナムのお金事情もあわせて。
3日2泊(最低限おさえる王道)
- 1日目:ハザン → クアンバ → イェンミン → ドンヴァン(天空の門、双子山、パオの家、王の宮殿)
- 2日目:ドンヴァン → ルンクー → マーピーレン峠 → ニョクエ川ボート → メオヴァック
- 3日目:メオヴァック → マウズエ/ズーザー → ハザンへ戻り、夜行バスでハノイへ
4日3泊(いちばんのおすすめ)
上記をあわてず回り、ズーザー村と滝、そして村や市場での時間を足したコース。経験者の多くが「4日にすればよかった」と口をそろえます。1日の走行時間が5〜7時間と意外に体力を使うので、余白があるほど旅が豊かになります。
13. 安全と実用のヒント
美しい道ですが、危険なのも事実です。急で狭い崖沿いの峠、ガードレールのない区間、砂利や落石、放牧の家畜、トラック、そして辺ぴな土地では医療も限られます。死亡事故は人数の割にまれですが、ほぼすべてがスピードの出しすぎ・飲酒・経験不足によるもの。初心者は自走せず、イージーライダーかガイド付きグループにしてください。
持ち物のコツも押さえましょう。
- 服装:重ね着できる上着(夏でも朝や峠は冷えます)、長ズボン、つま先の閉じた丈夫な靴、一年中使える雨具、日焼け止め。
- 現金:出発前にハザン市で引き出しておくこと。ループ上のATMは不安定で外国カードを弾くものもあり、村は現金のみです。両替・引き出しはベトナムのお金事情を参考に。
- 通信:高い峠では電波が途切れがち。山岳エリアはViettelの電波が最も強いので、到着前にeSIMを用意しておくと安心です。設定はベトナムのeSIMを。
- 移動:ループ上にGrabなどの配車はありません。自走・チャーター車・バイクタクシー(セオム)のみです。配車の使い方はベトナムでのGrabを。
着いた瞬間にネット接続 — すぐ設定、物理SIM不要、今の番号もそのまま。
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14. 正直な総評 ── 行く価値はある?
結論として、ハザン・ループはベトナムでするべきことの最上位に挙げられる旅です。ダイナミックな景色と少数民族の文化、この両方を一度に味わえる場所はそうそうありません。冒険心のある旅行者にはもちろん、非ライダーでもイージーライダーの席さえあれば十分に堪能できます。
一方で、向かない人もはっきりしています。ラグジュアリーな快適さが最優先の方、日程が極端に短い方、そしてバイク未経験なのに自走にこだわる方は、考え直したほうがいいでしょう。前述のとおり日本の免許では合法的に運転できないので、なおさらイージーライダーが現実的です。
そして繰り返しになりますが、最大の後悔は「日数が足りなかった」こと。体力は使いますが、その分だけ記憶に残ります。北部のほかの絶景、たとえばサパの棚田やハロン湾、ニンビンと組み合わせれば、ベトナム北部を丸ごと味わう忘れがたい旅になります。全体の計画はベトナム旅行のまとめやベトナムのベストシーズン、入国準備はベトナムのビザもどうぞ。