北部ベトナム旅行ガイド2026 — ハノイ・ハロン湾・サパ・ハザン

北部ベトナム旅行ガイド2026 — ハノイ・ハロン湾・サパ・ハザン

ダナンやホイアンは行ったけれど、北部はまだ、という方へ。ハノイを拠点に、ハロン湾、サパ、ハザンまで。ベトナムでいちばん絵になる一帯をまとめました。

2026年6月更新
北部ベトナム、まずは要点から

  • どんな一帯か: ベトナムで自然と歴史がいちばん濃い地域です。ハノイ(首都)、ハロン湾(島と海)、サパ(棚田)、そしてバイクで巡るハザンループが揃っています。
  • 拠点はハノイ: ほぼすべての行程がハノイから始まります。ハノイからハロン湾まで約2時間半、ニンビン約2時間、サパ約5〜6時間、ハザン約6〜7時間です。
  • ベストシーズン: 北部は日本と同じく四季がはっきりしています。秋(9〜11月)春(3〜4月)がいちばんよく、冬はかなり冷え、夏は暑くて雨が多めです。
  • 必要日数: 7〜10日がちょうどいいです。5日でハノイ・ハロン・ニンビン、ここにサパかハザンを足すなら3〜4日プラスを。
  • 予算: 中級で1日30〜55米ドルほど。ハロン湾クルーズやハザンのツアーは、これに別でかかります。

1. 北部へ行く理由

日本の方にとって、ベトナムといえばまずダナンやニャチャンといったリゾートでしょう。北部は少し毛色が違います。リゾートでくつろぐ旅というより、思わず写真を撮りたくなる風景を見て回る旅です。千年を超える都ハノイ、海から立ち上がる無数の岩の島、少数民族が耕す棚田、そしてバイクで巡る山岳路まで。ベトナムでいちばん絵になる場所が、すべて北部に集まっています。

ただ、ひとつだけ注意点があります。距離です。見どころどうしが離れていて、道も山へ分け入っていくので、ダナンのように気軽な日帰りで回るというわけにはいきません。だからハノイを拠点にして、移動時間をたっぷりみておくのがコツです。そのぶん時間をかければ、ベトナムの旅でいちばん記憶に残る風景に出会えます。

この記事の位置づけ: ここは北部だけを扱うガイドです。ベトナム全体をどうつなぐかはベトナム旅行ガイドで、ダナン・ホイアンのある中部は中部ベトナムガイドでご覧いただけます。

2. ハノイを中心にどう巡るか

ハノイが真ん中にあって、主な見どころがそこから四方へ広がっている、とイメージするとわかりやすいです。まずハノイに入って腰を据え、あとはクルーズや夜行の寝台バス、ときには列車で出かけていきます。

ハノイ・ハロン湾・サパ・ニンビン・ハザンを示した北部ベトナムの地図
ハノイが真ん中、サパとハザンは山あい、ハロン湾は東の海、ニンビンはそのすぐ南にあります。 (地図: Uwe Dedering / CC BY-SA 3.0)
場所 どんな所 ハノイから
ハノイ 千年の都であり、旅の拠点
ハロン・ランハ湾 島だらけの海、1泊クルーズ 約170km・2時間半(東)
ニンビン 「陸のハロン」:川・岩山・寺院 約95km・2時間(南)
サパ 棚田、少数民族、ファンシーパン山 約315km・5〜6時間(北西)
ハザン バイクで巡る山岳ループ 約300km・6〜7時間(北)

日程に余裕があれば、もう2か所おすすめがあります。南西へ数時間のマイチャウプールオンは、なだらかな緑の谷と高床式の民泊で知られています。そして北東のはずれ、カオバンには中国と接する幅広いバンゾック滝があります。どちらも別に飛行機は要らず、ハノイからつながっています。

3. いつ行くか — 北部は四季の国

ベトナム南部は乾季と雨季に分かれるだけですが、北部は違います。日本と同じく四季がはっきりしています。ですから、いつ行くかで持っていく服から、棚田が緑か黄金色か、それとも掘り返した土の色かまで、ぜんぶ変わります。

季節 時期 天気
秋(ベスト) 9〜11月 涼しく乾いて、空が澄む。サパの黄金の棚田、ハザンの花
12〜2月 かなり冷える(ハノイ約10〜17℃)。サパは0℃近く、霧も多い
3〜4月 穏やかで歩きやすい、小雨も少し。人が少なめ
5〜8月 暑く湿って大雨。棚田は緑だが、嵐でクルーズが止まることも
ねらい目: なんといっても9〜11月です。涼しくて海も澄み、9月末にはサパの棚田が黄金色に染まります。その次が3〜4月で、人が少なく静かです。
冬は厚着で: 12〜2月のハノイ、とくにサパは思った以上に冷えます。サパは0℃近くまで下がり、霧もよくかかります。この時期に行くなら、日本で着るダウンや厚手のコートをそのまま持っていってください。常夏のベトナムを思って半袖だけだと震えることになります。

4. 何日の旅にするか

北部は、急がずゆっくり回るのがいちばんです。何日取れるかに合わせて、こう組み立てます。

5日 — 要点だけ

ハノイで2日(旧市街、屋台めし、ホアンキエム湖)、ハロンかランハ湾で1泊クルーズ、そしてニンビン日帰り。どれも首都から近く、初めての方がいちばん多く回るコースです。

7〜8日 — 山を足す

上のコースにサパを2〜3日足して、棚田を眺め、村まで歩いてみる行程です。夜行列車か高速バンで上ります。いちばん人気のコースで、北部をひと通り味わうのに最適です。

10〜12日 — 国境まで

ゆとりをもって北部をじっくり回る行程です。ハノイ・クルーズ・ニンビンに加えて、サパの代わりに(あるいはサパと一緒に)3〜4日のハザンループを入れます。もっと欲しければカオバンやプールオンも。楽な旅ではありませんが、長く心に残ります。

ひとつコツ: 12日以上でなければ、サパとハザンを続けて入れるのは避けましょう。どちらも山道の移動が長いので、両方を駆け足で回るより、ひとつをじっくり回るほうがずっといいです。

5. 行っておきたい場所

北部を代表する場所を、それぞれどんな所か一つずつ紹介します。

ハノイ — 首都

夜のハノイ旧市街とホアンキエム湖
ハノイ旧市街とホアンキエム湖の夜。 (写真: Adam Jones / CC BY-SA 2.0)

旧市街の路地のすみずみに、千年の歴史がしみ込んだ街です。真ん中には静かな湖、あちこちにフランス風の並木道、そしてベトナム屈指の屋台めし。旅の拠点であり到着空港でもありながら、それ自体、2日かけてのんびり過ごす価値があります。

ハロン・ランハ湾 — 島だらけの海

海から立ち上がるハロン湾の石灰岩の島々
ハロン湾の石灰岩の島々。 (写真: Christophe Meneboeuf / CC BY 3.0)

翡翠色の海から、岩の島が何千と立ち上がっています。きちんと味わうなら1泊クルーズが正解です。カヤックで隠れた入り江に漕ぎ入り、翌朝は島々の間で目を覚ます。ランハ湾やバイトロンも景色は同じくらい見事で、船はもっと少なく静かです。

サパ — 棚田の山

サパの青い棚田
サパの棚田。 (写真: Eerin25 / CC0)

ホアンリエンソン山脈の斜面に棚田が一面に広がり、モン族やザオ族が耕しています。日本の棚田を思わせる風景です。その上にはインドシナ最高峰のファンシーパン(3,143m)がそびえ、ケーブルカーで頂上まで上れます。谷を歩き、民泊に一泊すれば、サパをいちばんよく味わえます。

ニンビン — 陸のハロン

ニンビン・チャンアンの川と石灰岩の峰々
ニンビン・チャンアンの川と峰々。 (写真: Jakub Hałun / CC BY 4.0)

ハロンと同じ岩の絶景に、今度は川が流れています。小さな手こぎボートで、チャンアンやタムコックの洞窟をくぐります。近くにはムア洞窟の展望台や、古都ホアルーもあります。ハノイから気軽に行ける、息をのむ一日コースです。

ハザン — 山岳ループ

ハザンループ、マーピーレン峠のつづら折りの道
ハザンループのマーピーレン峠。 (写真: Khánh Hmoong / CC BY 2.0)

ベトナムでいちばん荒々しく、雄大な辺境です。バイクを自分で運転するか、イージーライダーの後ろに乗って、3〜4日かけてぐるりと一周します。ドンバンの岩の高原を抜け、息をのむマーピーレン峠を越え、ベトナム最北端の旗塔まで。北部でいちばん胸が高鳴る冒険です。

6. 行き方と移動

北部は、ひとつの空港とたっぷりの陸路移動でほぼ回れます。区間ごとに整理すると、こうです。

  • 入国: ハノイのノイバイ国際空港(HAN)が玄関口で、北部でいちばん国際線が多く発着します。空港から市内までは45分ほどです。
  • ハノイ市内: Grab(車・バイク)がいちばん楽です。料金がアプリで決まっているので、旧市街でタクシーと交渉するよりずっと気が楽です。
  • ハノイ ⇄ サパ: 高速道路の寝台バスかリムジンバンで5〜6時間。ラオカイまで夜行列車に乗り、そこから1時間バスで山を上る方法も風情があります。
  • ハノイ ⇄ ハザン: ミーディンバスターミナルから寝台バスかバンで6〜7時間。ループツアーには、たいていこの移動が含まれます。
  • ハノイ ⇄ ニンビン: 列車・バス・専用車で2時間ほど。日帰りでも十分ですが、一泊するとゆったりできます。
知っておきたい手口: 旧市街と駅の周りが、料金のぼったくりや偽タクシーがいちばん多い場所です。送迎を事前に予約するか、Grabを使えば、ほとんど避けられます。詳しくはベトナム詐欺ガイドをどうぞ。

7. 北部で食べたいもの

北部の味は落ち着いていて、すっきりしています。南部ほど甘くなく、中部ほど辛くもないので、澄んだスープと新鮮なハーブ、そのバランスが生きています。食べる楽しみだけでも、ハノイは行く価値があります。

  • フォー — この一帯が発祥です。ハノイ式は余計なものがなく澄んでいます。牛肉と麺、スープにハーブが少し、それだけです。
  • ブンチャー — 甘酸っぱいヌクマムのたれに炭火焼きの豚を浸し、冷たい麺と一緒に食べます。オバマ元大統領がハノイの店で食べた、あのメニューです。
  • チャーカー — ターメリックに漬けた魚を、テーブルの上でディルや青ねぎと一緒にジュッと焼きます。ハノイの名物です。
  • バインクオン — 豚肉ときのこを包んで薄く蒸した米のロール。北部の定番の朝ごはんです。
  • エッグコーヒー・ビアホイ — ハノイ生まれのカフェチュン(卵黄を泡立てて乗せたコーヒー)と、街角の生ビール。この生ビールはたぶんアジアでいちばん安い一杯です。

できれば、地元の人でにぎわう店で。ここでは、混んだ街角の屋台が、立派な観光客向けの店よりたいてい美味しいです。

8. どこに泊まるか

北部は、どこに泊まるかで旅の印象がかなり変わります。雰囲気のまるで違う場所を移動していくので、拠点ごとに感じが大きく変わるのです。

拠点 向いている人 メモ
ハノイ旧市街 グルメ・徒歩・交通の便 にぎやかで騒がしい。いちばん無難な拠点
ハロン(クルーズ泊) 島の間で眠り、デッキで日の出 クルーズが宿そのもの。船選びが大事
サパ 眺めのよい町のホテル、または谷の民泊 開発の進んだ町中より民泊が風情あり
ニンビン 岩山と田んぼの間のロッジ 一泊すれば日帰りがハイライトに変わる

たいていはハノイを拠点にして、移動の途中でハロン・サパ・ニンビンに1〜2泊ずつ足せば十分です。立ち寄るたびに首都へ戻る必要はありません。

9. 費用はどれくらい

日々の費用は、北部もベトナムの他の地域と同じくお得です。ハノイの屋台めしは安いことで有名です。違うのは、別に見ておきたい一度きりの大きな出費が一つ二つあること。それは別枠で予算を取っておきましょう。

スタイル 1日 含まれるもの
バックパッカー 25〜40米ドル ホステル、屋台めし、バス、Grabバイク
中級 30〜55米ドル そこそこのホテル、レストラン、日帰りツアー、Grabの車
快適・贅沢 120米ドル以上 よいホテル、専用ドライバー、ファインダイニング

そこに大きな項目を足します。中級のハロン1泊クルーズが1人120〜200米ドル、ガイド付きの3日のハザンループが100〜150米ドルほどです。両替ガイドに現金・カード・ATMをまとめてあるので、山の中でお金に困ることはありません。

10. 次のステップ

ここまでで、北部の全体像がつかめたはずです。ハノイを拠点に、四季を見て時期を決め、区間ごとの移動時間と費用も見当がつきます。次は、この北部をベトナム全体の日程に組み込む番です。

ベトナム全体

北・中・南のつながりはベトナム旅行ガイドにあります。全体ルートはまずそこから組みましょう。

回りやすい中部

ダナン・ホイアンも組み込むなら、中部ベトナムガイドがベトナムでいちばん回りやすい地域を扱っています。

出発前のチェック

基本から:ビザeSIM両替の計画、そしてよくある詐欺

ハノイ・ハロン・サパ・ハザン、それぞれの詳しいガイドは準備中です。それまでは、ベトナムのマスターガイドが旅全体をつないでくれます。

北部ベトナム よくある質問

Q. 北部ベトナムは何日みておけば?
最低でも5日はみておきたいところです。ハノイ2日、ハロン湾の1泊クルーズ、ニンビン日帰りでちょうど5日になります。時間が取れるなら7〜10日がおすすめで、そうすればサパかハザンループのどちらかを足せます。北部は街と街が離れているので、欲張るとバスの中で1日が終わってしまいます。国全体をつなぐ大きなルートはベトナム旅行ガイドをご覧ください。
Q. ハロン湾・ランハ湾・バイトロン湾、どれに行く?
景色はどれもよく似ていて、違いは人の多さです。ハロン湾がいちばん有名で、その分いちばん混みます。ランハ湾(カットバ島側)はもっと静かで、景色は同じくらいきれいです。バイトロン湾は三つの中でいちばんのんびりしています。初めてなら、ハロン本島の日帰りより、ランハかバイトロンで1泊クルーズに乗るほうがずっと心に残ります。
Q. ハザンループは危なくないですか? 自分でバイクを運転しないとだめ?
自分で運転しなくて大丈夫です。いちばん多いのはイージーライダーという方法で、地元ドライバーのバイクの後ろに乗って巡ります。運転の負担がほとんどありません。車で回るツアーもあります。自分で運転するのは、正式な免許があって山道に慣れた方だけにしてください。景色は本当に素晴らしいのですが、道は決してやさしくありません。
Q. サパの棚田、緑や黄金色はいつ見られますか?
5〜6月ごろは田に水が張られ、鏡のように空を映します。夏のあいだはずっと濃い緑です。そして9月中旬から10月初め、収穫の直前に黄金色に染まり、これが写真でいちばん有名な時期です。ちなみにハザンでは、ピンクと白のそばの花が10〜11月に咲きます。
Q. ハノイからサパ・ハザン・ニンビンへはどう行く?
すべてハノイから陸路です。たいていは寝台バス(スリーピングバス)かリムジンバンを使います。チケットは事前にネットで取り、eSIMでデータをつないでおきましょう。サパは高速道路で5〜6時間。ラオカイまで夜行列車で行き、そこからバスで1時間ほど山を上る方法もあります。ハザンは6〜7時間、ニンビンは2時間ほどで、列車も頻繁に出ています。
Q. 北部では何を食べるべき?
ここはフォー(ベトナム麺)の発祥地です。オバマ元大統領が食べて有名になったブンチャー(炭火焼き豚と麺)、テーブルで焼き上げるチャーカー(ターメリックに漬けた魚)、薄く蒸したバインクオン、そしてハノイ発祥のエッグコーヒー。北部の味は南部ほど甘くなく、中部ほど辛くもないので、全体に澄んでいてあっさりしています。
Q. ベトナム旅行、北部と中部はどちらから?
初めてで日程が短いなら、中部(ダナン・ホイアン)のほうが楽です。空港がひとつで、街と街の距離も短いからです。北部は少し時間がかかりますが、その分、風景が大きく、雰囲気も深く感じられます。両方を巡る方も多いです。比較は中部ベトナムガイドをどうぞ。
Q. 日本人もビザは必要? eSIMは?
日本のパスポートはベトナム45日ビザ免除なので、45日以内の滞在ならビザ自体が要りません。それより長く滞在するなら90日のeビザを取ります。eSIMは出発前に入れておけば、ハノイの空港に着いた瞬間からGrabや地図が使えます。詳しくはビザeSIMのガイドへ。

まずはベトナム全体から — ベトナム旅行完全ガイド →